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コラム:ボクらがActivisionを嫌いな理由
ゲーム業界に新たな悪役が登場、Activisionの名を背負っています。
Gamasutra(ゲーム開発者向け情報サイト)のディレクターで、ブログSexy Videogamelandの著者、フリーランスの批評家でもあるリー・アレクサンダーさん。彼女は米Kotakuで毎月ゲームやゲーマー文化に関したコラムを書いています。今回のコラムは、最近ゲーマーの怒りの矛先に上がるActivision社CEOのボビー・コティックさんについて。
コラム本文については続きから。かなり長いので覚悟してください。
メガパブリッシャーActivisionの、アグレッシブでしょっちゅう論争を巻き起こしているCEO、ボビー・コティックさん。彼は本当に「悪役」とまで言われるほどの人なのだろうか? それとも私たちはただ彼を嫌うのが好きなだけ? 大体彼って何者?
Activisionは常に業界の大黒柱であったことは確かだけど、Activisionが現在の位置にいるのは『Guitar Hero』と『Call of Duty』フランチャイズの成功がもたらしたもの。
そしてそれらの続編に次ぐ続編、そしてそのまた続編と続き、Activisionの株価が跳ね上がると共に、この勝ち誇ったCEOがビジネスプレスで論争を巻き起こし、次いでその延長でゲームプレスでも論争を起こすことになったわけだ。
2008年のE3でのElectronic Artsが昔のやり方でのビジネスを通じ何を学んだか、というKotakuとの対話の中でEAのCEOジョン・リッチティエッロさんは「EAを嫌いだなんて昔のことさ」というKotaku読者のコメントを引用し、昔のゲーマーに嫌われるEAとは違う、ということをアピールしていた。そして現在、今のActivisionはその「昔のEA」の王冠を被っているようだ。そう、インターネット上で口々に言われている、悪の帝国が戻ってきたと...

- で、ボビー・コティックって誰?
私はパブリッシャーの重役達にインタビューしている。そしてたいていの場合、重役たちはインタビューは消費者と思いをやり取りする重要な機会だと考えている。しかし私はコティックさんと同じ部屋にいたことは一度もない。Activisionがゲームに関しての質問にすぐに答えてくれる一方で、ビジネス関連の記事に関してコメントを求めても ―この記事自体に関してもコメントを求めているのだが― それに対する返事はたいていの場合、ない。
投資銀行「Wedbush Morgan」のアナリストであるマイケル・パクターさんは、定期的に重役達をチェックして投資の決断に必要な情報を提供しなければならず、「大げさな」重役たちとも面識がある。そんなパクターさんはコティックさんのことをこう形容している。
ボビーは信じられないほどフレンドリーで、面白く、とても頭が良い上に魅力ある人物だ。
少しお調子者でもある、もちろん楽しい奴という意味でね。私が思うに、一言で言うなら「自信過剰(cocky)」といったところかな。私は彼のことがとても好きだし、彼の表向きの人格というものはゲームメディアによってゆがめられていると思う。彼を無慈悲な工場長みたいなイメージに変えてしまっている。
コティックさんの「表向きの人格」は人々に眉をひそめさせる一方だ。最近あるアナリストに今四半期の電話会議でパッケージゲームのコストの高騰に関して聞かれた。高騰を支えるのはActivisionの周辺機器が一緒にパッケージングされて高い値段となったゲームだ。一方でコティックさんは
もしこの問題が私に任されれたならば、私は(ソフトの)価格をもっと上げるだろう
と言って他の重役達とクスクス笑っていたそうだ。
もしかしたらただのジョークだったのかもしれない。だがこのリセッションの中では品の良いジョークだとはいえない。財布の口が堅くなった消費者達はこの彼の高慢な態度をジョークだとは思えないだろう。
これは、ゲーマー達が己の「家」とも思っているコメント欄やフォーラムに、アンチActivision的なコメントが広がっている理由のうちの一つである。「人々により笑顔を」という任天堂の約束、EAのリッチティエッロさんのお決まりのスローガン「収益よりもクオリティーが優先すべきゴールである」とは対照的だ。
しかしコティックさんが最も最近の、そして最も我々の眉をひそめさせてくれたのはこれだ。彼が最近言ったこれ。彼のゴールは常に「ゲーム製作から楽しさをなくす」(take all the fun out making video games)ことだという。つまりActivisionの職場環境のことなのだろうか? 彼は同時にActivisionの文化に
私たちの経済が現在陥っているような、懐疑主義、悲観主義、そして恐怖、これらを植えつけることがこれまで可能であったと思っている。
とも述べている。
この広く広まった彼の発言が火種となることは想像に難くない。ゲーマー達の情熱的な性質と論争への渇望、これがゲームコミュニティーであり、人を憎しむ事はまた楽しみにもなりうる。そこから出来たIdleThumbsのクリス・レモさんの「コティックの教えを基に」作られたこの歌が良い例だ。
しかし、コティックさんの元で働く人々はどう思っているのだろうか? 彼らは実際に「懐疑主義、悲観主義、そして恐怖」に満ちた環境で働いているのだろうか?

- 身を粉にして働く
Activisionの内部スタジオに勤める分別ある社員は、「匿名で」との条件付でこう語った。
コティックさんは、自分が言ったことが部分的にしか引用されていなくて、特にユーモアを言うような場面で言ったことが間違った形で引用されていると言っていますよ。
Infinity Wardのロバート・ボーリングさんも同じく、冗談だと受け止めているようだ。しばらく前にあった『Modern Warfare 2』のイベントで、彼は巧妙にコティック発言を茶化している。上の画像をよく見れば、カスタムクラス名がそれぞれ「Skepticism」(懐疑主義)、「Pessimism」(悲観主義)、「Fear」(恐怖)と名づけられているのに気づくだろう。
Activision社全体を、例の引用のようには捉えて欲しくないと言う数え切れないほどの声が、Activison内部からは聞こえてくる。デベロッパー個人個人は官僚的なスタジオと衝突することも多々あるが、それはパブリッシャーと、というよりはデベロッパーとの衝突だ。
プレッシャーが高い目標追求型の環境は、また、内部スタジオ間の緊張を高め、そのため爆発することも多くなる。Infinity Wardのロバート・ボウリングさんが自らのブログでActivisionのノア・ヘラーさんに対してした公共の場での「ちょっとした事件*」で我々が見たものがそれの良い例だ。とはいっても、この「目標追求型」文化は今の事件に出てきたような突出したゲームデベロッパー達に、とても高級な車に乗れるようなお金をもたらすのもまた事実ではある。
*ちょっとした事件
シニア・プロデューサーで『Call of Duty: World at War』を代表するノア・ヘラーさんと、『Call of Duty: Modern Warfare』のロバート・ボウリングさんの間にあった何かが爆発した問題。「『Modern Warfare』のボルト・アクション・ライフルは『World at War』と違って一発で敵を殺せる武器ではない」とヘラーさんが発言したことを受け、ボウリングさんの怒りが爆発。ボーリングさんが「Activisionのシニア・スーパー・ドゥーシュ、ノア・ヘラーは...」(*Senior Super Douche、Doucheはこれのこと。「役立たず/能無し」的な意味)という発言を自らのブログ内でした。そのブログ記事はすでに消えている。
我々の情報源はコティックさんに直接会ったことはないそうだが、彼が言うには彼の悪口を聞いたことはあるそうだ。彼はこれをこう例えている。
ブッシュを直接知っている人は、彼の政治についてどう思っていたとしても、皆がアイツは一緒にビールを飲むには良い奴だなと考えているように思える。
- 不品行
しかし、業界の情報源たちは他のゲーム会社はコティックさんに対してポジティブには思っていないと感じると言っている。特に、この様な景気の良い会社がEntertainment Software Association(以下ESA)を抜け、ESAを通じた違法コピーからの保護と米国憲法修正第1項のロビー活動の費用を払わなくなった事に関しては。それが論点なのだ。
ActivisionはESAから離脱した最大のパブリッシャーであったのみならず、昨年のE3からも抜けていた。ゲームの見本市だというのにだ。今年同社はE3には戻ってきたもののESAには戻ってきていない。コティックさん曰く
私達には私達の問題があるが、それは業界の問題ではない
だそうだ。
しかしActivisionも業界の一部である。より小さなパブリッシャーもESAへお金を払い、海賊退治やロビー活動、社会の意識を高めるキャンペーンをサポートしているにもかかわらず、この世界一富んでいる会社の一つであるActivisionは彼らの活動の恩恵は他社と同じく受けている。そうした決定を行ったことが他の同業者からネガティブに見られる要因なのだ。

そしてコティックさんの、「反抗してくるものに対しては訴訟」という態度も心配の種だ。ActivisionはVivendiを合併の後、Vivendiがそれまで発売するとしていた『Brütal Legend』をリストから取り下げさせた。コティックさんがその時言っていた取り下げ理由はこうだ。この期待されていたタイトルや他のSierraゲームには「毎年様々なプラットフォームから利益を搾り取るポテンシャルが欠けている」からだそうだ。
しかしこのゲームをEAがすくい上げ、Activisionはこれに対し訴えをおこした。「自らの家族を見捨てておきながら、別れた妻が自分より見た目がいい男に会うたびに訴訟を起こす」と例えられているこの訴えに関して、『Brütal Legend』のクリエーターで楽天家のティム・シャファーさんはこう言っている。「もしActivisionがホントに気に入ってたなら、さっさと指輪をはめてくれりゃ良かったんだよ。」
コティックさんの監督の下、Activisionはいじめにも見えるような訴訟を起こす性癖がついてしまったようだ。このターンテーブル上のごたごたでは誤解も生じている。Activisionが、四面楚歌にあったデベロッパーの 7 Studios ―当時Genius Productsのために『Scratch: The Ultimate DJ』を製作していた― を買い上げた時などがそうだ。Geniusは現在Activisionが法的な力を使い「不快なビジネス上の訴訟手続き」を行い、Activisionのターンテーブル付き『DJ Hero』のライバルになる可能性のある『Scratch』(こちらも「Scratch Deck」とよばれる専用コントローラーを用いる)を遅らせ、7 Studiosと関わることでデベロッパーが必要としていた融資を与えたためにこの買収よりも前に『Scratch』を亡きものにしたのだ。(現在はBedlam Gamesがこのゲームの開発をしているようだ。)
- 金という名の文化
おせっかいなゲーマーはこのActivisionやコティックさんのやりかたを好きになれないかもしれない。しかし、彼はただ彼の仕事をしているだけともいえるだろう。そう、彼は仕事を非常にうまくやっている。
ゲーム業界も結局はビジネス。彼は、少なくとも彼の会計帳簿上では、莫大なお金を得ている。この46歳のコティックさんは1991年からこの地位におり、2007年にマーケットリサーチ会社であるNPD Groupはこの会社が業界最大と認定している。Activisionの四半期の収益成長率は連続して成長している。そしていくらかの年にはフォーブス誌によればコティックさんは彼の仕事で約1500万円(15 million 米ドル)約1500万ドル(約13億4000万円)ほどの年収を得ているようだ。その数字はActivisionにもっとも近いライバルであるEAのジョン・リッチティエッロさんがもらっている金額の倍である。
(10/3修正:本文中の数値ミスを修正しました。ご指摘ありがとうございます!)
コティックさんがこのゲーム業界最大の「デス・スター」で働いていない時は、どうやらそんなに悪くない奴だとの証拠もある。彼はチャリティー団体に参加していたりもするのだ。「The Center for Early Education」の評議員をしていたり、LAにある美術館、「Los Angeles County Museum of Art」の議長を務めたり、取締役会のメンバーになっている「Tony Hawk Foundation」では経済的/社会的に恵まれていないコミュニティーにスケート場を作ったりしている。『Tony Hawk』シリーズを出しているのももちろんActivisionなのだが。
にもかかわらず、ボビー・コティックさんはゲーマーがどんな思いを抱いているかなんてどうでもいいように見える。それともかれはゲーマーにもっと気を使うべきだろうか? パクターさんはこう指摘している、「昔のEA」が質より量を重視していた結果は、ゲーマーの反発を受け、それが最終収益に現れたと。
消費者の疲労と商品の低品質に関しての論議は健全だ。
起こりうる革新はとても限られているし、毎年発売されるようなゲームは革新性で言えばもっと長いスパンをあけて発売されるゲームに劣るだろう。
とパクターさんは語る。Activisionのビジネス戦略と公的人格は、EAにそれが起きたように、何時の日かこれまでの報いを受けるだろう。
それまでは、ゲーマーに何が出来るだろうか? 人々が最も待ち望んでいるホリデーシーズンタイトルである『Modern Warfare 2』を買い控える?
以上、リーさんのコラムをお届けしました。日本のゲーム業界でも大口が得意な人は何人か見かけますが、さすがにコティックさんほどの大物はいませんね...
Leigh Alexander(原文/abcxyz)

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>約1500万円(15 million 米ドル
ここ計算間違ってない?
13億5000万円くらい?
いいねえ、こういう海外のコラムは。
日本のその辺のコラムの何倍も読み応えがある。
海外ではこんな記事が書かれるんですね・・・。彼が悪役かどうかよりもそちらのほうが興味深いです。
メーカーの発表のコピペか、そうでなければ、ただの2ちゃん的悪ノリか、の日本のメディアとの違いを痛感します。
Kotakuさんはやや悪ノリながらも2ちゃんコピペブログのような品性下劣には陥っていないという感じですね。
>Kotakuさんはやや悪ノリながらも2ちゃんコピペブログのような品性下劣には
>陥っていないという感じですね。
記事のリンクは貼ったりしてますけどね・・・。
個人的には特に有名なコピペゲームブログのあの二つはちょっと・・・。
それ以外はいいと思います。