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洋ゲーレビュー『Brutal Legend』:メタルの力でジャンルを超越
北米ではついに発売を迎えたメタル系ゲーム『Brutal Legend(ブルータル・レジェンド)』。発売元のEAによれば、残念ながら日本ではメタルは限られたニッチ市場だとの理由で発売はないそうですが、そんなことはおかまいなしに米Kotakuの『Brutal Legend』レビューをお届けします。
『Brutal Legend(ブルータル・レジェンド)』は『Grim Fandango』や『Psychonauts』で知られるプロデューサーのティム・シェイファー氏とデベロッパーDouble Fine Productionsの最新作。
主人公は今日のメタルの衰退を恐れる有名バンドの裏方スタッフであるエディ・リッグズ。ある日、炎の魔獣「オルマゴデン」によって悪の帝王「ドヴィクルス」の支配下にあるメタルの世界に送られてしまうところから彼の物語がスタートします。メタルの世界とその住人達を帝王の支配下から開放するため、裏方スタッフのスキルを駆使して強力な軍隊を構築するのです。
『Brutal Legend』は一言でまとめるのが難しいゲームです。オープンワールド型のアクション、ドライビングアクション、そしてリアルタイム・ストラテジーなど複数のジャンルにまたがったゲームプレイが特徴です。果たしてジャンルをいろいろ詰め込んだのが吉とでるか凶とでるのか。
気に入った点
エディ・リッグズの物語:メタルや派手さを取り除けば『Brutal Legend』は典型的な「異郷における異邦人」の物語です。ただし今回はその「異郷」がかなり奇妙であり同時になにか懐かしい感じもします。違う視点から見ればメタル派とグラムロック派の掲示板での論争をそのまま具現化したような世界観です。ブッ飛んだ世界観ですが、それでいて陽気で生意気な人間味も残しています。
メタルは止まらない:メタルアルバムのジャケ絵の世界を再現したなんてものではなく、『Brutal Legend』はメタルそのものを具現化した雰囲気です。まるでメタルファンがメタル曲を聴いているときにイメージするような世界がそこには広がっています。しかもその世界を冒険しているときにメタルの名曲が流れるのですからたまりません。
自由度:自軍を戦闘させているときやツアーバスで次のギグに向かっているとき以外は基本的に愛車に乗ってメタル世界の田舎を駆け回ったり、ミッションの挑戦、隠し要素の発見、新曲のアンロック、そしてアップグレード用のポイント稼ぎなど自由に行動できます。曲を流しながら車で荒野を爆走するのが一番の楽しみだったりします。
声優陣:ジャック・ブラックやティム・カリーといった有名俳優のパフォーマンスは見事ですが、さらに驚きなのが音楽界からゲスト参加の声優たち。メタル歌手の演技に期待はできませんが、モーターヘッドのレミー・キルミスター、オジー・オズボーンの演技も彼らの故郷ともいえるメタル世界が舞台とだけあってかなりナチュラルです。一番の賞賛は実際に演技を要求されたリタ・フォードでしょう。いい味出してます。
戦わなければ生き残れない:斧とギターを駆使して一人で戦っているときも、自軍の見方とコンビネーション・アタックを繰り出しているときでも『Brutal Legend』の戦闘は激しくも滑らかです。神々の好意をメタルガーディアンのショップで消費することで武器のアップグレードなんかもできます。より大規模な戦闘ではカオスになりがちですが、それでもおおむね戦闘は楽しめました。
バンド・バトル:マルチプレイではリアルタイム・ストラテジー要素がメインになるため、シングルプレイでのアクションになれたプレイヤーは少々混乱するかもしれません。マルチプレイではファンの数が資源となり、自軍の本拠地であるライブステージを強化していきます。敵ももちろん同じことをしているので、自分のライブステージがやられる前に相手のステージを破壊するのがマルチプレイの目的となります。ギターと斧を頼りに自分独りで戦地に向かうことも可能ですが、後々きつくなってくるので戦闘では主に自軍の指揮に回ることになります。とても簡略化されたリアルタイム・ストラテジーですがシングルプレイに飽きたらミニゲーム感覚で簡単に遊べるところが楽しいです。
気になった点
セリフのスキップができない:『Brutal Legend』の声優たちのパフォーマンスは見事ですが、だからといって同じフレーズを繰り返し聞きたくはありません。いくつかのストーリーミッションでは目的を達成するまでに同じセリフを何度も聞くはめになったので正直イラつきました。
おつかいミッション:多くのサイド・ミッションはストーリーを分割しポイント稼ぎできるいい機会なのですが、もうちょっとバラエティが豊かだったら良かったとおもいます。例えば、同じセリフが繰り返される奇襲ミッションを何度もやるのは楽しいというよりは、おつかいでしかありません。
ごちゃ混ぜ感:ゲームの最初のほうではギターと斧を使った戦闘の基本を学びます。次にクルマの運転とシューティングをします。ここまではわりと基本的ですね。しかしこのあとリアルタイム・ストラテジーらしからぬゲームでリアルタイム・ストラテジー要素を体験することになります。大規模な戦闘のほとんどがRTS形式で行われるとは知らなかったので心の準備ができていませんでした。開発者側はこの変化をプレイヤーにとってナチュラルなよう努力をしたようですが、それでもまったく違うゲームプレイの奇妙なブレンドです。
『Brutal Legend』のジャンルを超えたゲームプレイは最終的にこのゲームの長所でもあり短所でもあります。自軍を強化するための資源集めなどをしなければいけないのですが、戦闘くらい自分でやりたいプレイヤーもいることでしょう。リアルタイム・ストラテジー要素も楽しめましたが、普通のボス戦のほうが良かった気もします。
最終的に『Brutal Legend』はプロデューサーのティム・シェイファー氏のウィットと魅力的なキャラクターたち、そしてメタルに対する愛情を、下手をすれば失敗してしまうようなジャンルのブレンドで表現している、一度は体験してほしいゲームです。
日本での発売予定は今のところないようですが、気になる方は個人輸入や輸入ゲームショップをチェックしてみるのもいいかも知れません。
Mike Fahey(原文/ニール太平)

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