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『アサシンクリード2』レビュー:技術と芸術が融和した逸品

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年末の続編ラッシュに名作がまた1本。

前作から2年、ついにファン待望の『アサシンクリード2』が、12月3日に日本でも発売になります。今回の舞台はルネッサンスに湧く15世紀のイタリア。本作ではプレイヤーは貴族出身の暗殺者、エツィオ・アウデトーレとしてプレイするとと共に、本シリーズの真の主人公、デズモンド・マイルズとしてもプレイします。

前作で不評だった、決まりきった感のあったゲームプレイ構成を見直したほか、暗殺方法のバリエーションも増えているようです。

果たして『アサシンクリード2』は革新的なアクションアドベンチャーゲームだった前作を超えることができるのか。
 

 

気に入った

進化したアドベンチャー:『アサシンクリード2』の一番良いところはその流れでしょう。このゲームはイタリア貴族の子息として生まれたエツィオの物語です。彼は目の前で家族と人生を破壊され、その結果、中世イタリアの陰謀を暴くアサシンとなります。物語はストーリーとゲームプレイが交互に入れ替わるというありがちなものではなく、それらが織り込まれたアドベンチャーが繰り広げられます。前作からのゲーム性や、今回新たに加えられた要素によって、プレイヤーは『アサシンクリード2』の変化や驚きに富んだ冒険の物語自体をプレイするのです。

歴史が蘇る:『アサシンクリード2』は歴史上の土地や人物に基づいています。たとえばフェイレンツェに行ったことがあっても、このゲームをプレイするまでは大聖堂の壁面を登ったことはないでしょう。また、ダ・ヴィンチの名前を聞いたことがあっても、会うのは本作が初めてでしょう。歴史上存在した人物に会ったり、歴史に詳しい人なら次の展開を予想してみたりと、物語がどこに向かうのか考えてみるのも一つの楽しみです。

暗殺と壁上り:ストーリーの流れを気にしない人、そして歴史の授業中寝ていたような人でも『アサシンクリード2』に満足できるでしょう。エツィオは前作のアルタイルよりも強力な暗殺者で、ターゲットを2人同時に暗殺したり、より軽快に建物を上り下りできます。地上での戦闘は複数の敵に囲まれて、カウンターの機会を狙うのが主ですが、敵の武器を奪って攻撃に使うといったこともできます。暗殺も移動もそれほど複雑ではなく、楽しい上に美しいです。

構成:本シリーズのクリエイティブ・ディレクターであるパトリース・デシレッツ氏によれば、シリーズ第1作目でゲームプレイの新たな方程式を紹介したが、ひねりがなく一般的すぎたと言います。2作目では200名以上の開発チームとともに、よりよいものを作り上げることを約束していました。ゲームは主に記憶からエツィオの人生をたどる部分で構成されています。今回のゲーム構成は特定の型にはまっておらず、屋上での暗殺からカーニバルへの参加、囚人との面会など、どの場面も違った感じがします。またメインのストーリー以外にもサイドミッションの暗殺、フリーランニングのレース、たくさんの収集物など寄り道もたくさん用意されています。

戦略の幅:このゲームの魅力の一つに、選択の余地が多すぎることが挙げられます。『アサシンクリード2』では、課題を乗り越えるのに今までよりも面白いアプローチがとれます。たとえばターゲットを建物の屋上から追跡するか、歩行者でいっぱいの路地から接近するか? はたまた売春婦たちの力を借りて警護兵の気を引いたり、警護兵に毒を盛ったり? 水辺を泳いで追跡? どれもプレイヤー次第です。

ミステリー:『アサシンクリード2』を作った人たちは、どうやら「ダ・ヴィンチ コード」著者のダン・ブラウン氏と同じく、秘密結社や時代を超えた陰謀に魅せられた方々のようです。謎が謎を呼ぶ展開からすると、海外ドラマの「Lost」のファンでもあるのでしょう。ここではまだ言えない本作のパズル要素から『アサシンクリード』シリーズの物語の歴史の秘密も見えてきます。

次回へのヒント?:次回作やスピンオフ作品の題材をほのめかすという意味で『アサシンクリード2』のエンディングは前作とは比べ物にならないです。本作の随所で見つかるヒントから、マルコ・ポーロやクレオパトラ、そして歴史上ずーっと昔の人までかかわってくることがほのめかされているので、それらの話がゲームになるかもしれないと考えると待てません。

デズモンド・マイルズ:前作のように、今回のストーリーも実際はデズモンド・マイルズ(我々から見た近い未来に生きる男)の前世の記憶から展開されています。前作ではアルタイルの冒険の合間に、歩くことと話すこと以外はほとんどなにもできないデズモンドとしてプレイできました。『アサシンクリード2』でデスモンドはより沢山のアクションができるようになっていますが、登場の頻度は減っています。しかしゲーム中で彼もまたアサシンになる資質があるかもしれないこともほのめかされています。

嫌だった

繊細すぎるコントロール:操作感が繊細すぎること以外、『アサシンクリード2』に悪いところは特にないです。このゲームでは頻繁に壁を上ったり、屋根から屋根へ飛び移ることがあります。これらはプレイヤーがレーシングゲームのように流れにのっているときに一番よく機能しますが、急旋回や急加速しようするとなぜか逆方向にエツィオが動いてすべて台無しになります。果たして操作性が繊細すぎるのか、システムが考えすぎているのか、プレイヤーのミスなのかは判断しにくいです。が、ゲームのほかの部分が見事に完成されているだけに、屋根から落ちて水にドボンということがあるのは残念です。

『アサシンクリード2』は見た目もゲームプレイもよく、前作の欠点を見事に克服しています。それだけでも多くのプレイヤーは満足でしょうが、ゲームを遊ぶと同時にストーリーを展開していく点が最も素晴らしく、プレイヤーの知性、探究心、そしてチャレンジ精神が試されます。

本作の制作にあたってのこだわりは、『メタルギアソリッドシリーズの制作陣が持つこだわりに匹敵するでしょう。大作でありながら磨きあげられており、テクノロジーと芸術が融和しています。現在の『アサシンクリード』の方程式が続けば、次回までに暗殺や壁上りなどはマンネリ化してしまうかもしれませんが、クリエイターの柔軟な心持ちを見る限りマンネリを恐れる必要はなさそうです。

※今回のレビューにあたって、トティーロ記者は本作のPS3北米版でスト-リーモードと無料DLCをプレイし84.2%の達成率でクリアしました。そして約3分の1のサイドミッションが未プレイ。日本版ではゲームの変更点が多少あるかもしれないことをご了承ください。

 
Stephen Totilo(原文/ニール太平)

 

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