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『キングダムハーツ』にはインスパイアされなかった? 『Epic Mickey』インタビュー&ギャラリー

2009.11.01 17:00 | コメント[0] | トラックバック[0] | タグ:EPIC MICKEY | by abcxyz

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来年秋にWii向けに発売予定の『Disney Epic Mickey』。今回、米Kotakuでは本作のデザイナー、ウォーレン・スペクターさんに話を聞いてきました。

キングダムハーツ』への言及から、ディズニーマニアなら聞き逃せない「イェン・シッド」や、本作で忘却の彼方から復活する知る人ぞ知る「オズワルド」などのキャラクター、文学や詩、『ライラの冒険』に関してまで語っています。

かなり長い本文ですが、画像も満載。本作に興味のある方は続きをごらんください。
 

 
ウォーレン・スペクターさんは『Disney Epic Mickey』でディズニーアニメの世界を本作向けに作り直すに当たり、子供を魅了すると共に、感慨深いストーリーで大人のゲーマーにも満足してもらえるゲームにしようと尽力しているようです。

「アドベンチャーゲームをベースに少しRPG要素を足したもの」と形容されている本作では、あなたはミッキー・マウスとなり、Wiiリモコンを使用して「魔法の絵の具」と「魔法の薄め液」を操り世界を変えていきます。

 
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1940年のディズニー映画『ファンタジア』の「魔法使いの弟子」に登場、『キングダムハーツII』でもおなじみのイェン・シッドが本作にも登場します。本作でイェン・シッドは、第一線から退き、忘れ去られたディズニー世界の住人達のために「Cartoon Wasteland」(仮訳:カートゥーンの荒地)を造り出します。この「Cartoon Wasteland」の最初の住人はディズニーのカートゥーンで初めてスターとなった「しあわせうさぎのオズワルド」。1927年に創られミッキーの基ともなったキャラクターです。(上の画像のステンドグラスに描かれているのがオズワルド。)

時が経つにつれ、どんどん有名になっていくミッキーに恨みを募らせるオズワルド。ミッキーがふとした拍子にオズワルドの「Cartoon Wasteland」に「魔法の薄め液」をこぼし歪めてしまったことで、ミッキーはその世界に吸い込まれてしまいます。

Disney Interactive Studiosの副社長兼ゼネラルマネージャー、グラハム・ホッパーさんはこう語ります。

あのウォーレンさんのクリエイティビティーと革新性が、世界的に有名なキャラクター達と組み合わさるわけです。ミッキー創造のルーツにまで経ち返り、ゲーム内では特に、ファン達にキャラクターとしてのミッキーをより深く感じてもらうことになるでしょうね。

 
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スペクターさんによれば、このゲームはWiiモーションプラスをサポートしていません。Wiiモーションプラスの技術をデベロッパー達が知った時にははすでにそれを組み込める段階を過ぎていたとの事。

私達はそれを試してはみましたし、個人的には我々のコア・メカニックには適しているものだとも思います。しかし今のところ私に言えるのは、将来我々はこの技術を使ってなにかをするのにとても乗り気だ、ということだけです。

 
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スペクターさんが本作のアイデアに惹かれた理由はふたつあると語っています。ひとつには、これは「世界一有名なイコンを弄くりまわせる」チャンスだから。そしてもうひとつの理由はこれが「子供にも大人にも興味を持ってもらえるストーリーを語る」ためのチャンスだからです。

我々が語ることになるストーリーは、ただ「お姫様を助けに行く」とか「地球最後のスペース・マリーン」だとかいったものよりも、もっと洗練されたストーリーです。皆さんはこのストーリーに消費主義や、人生で本当に大切なことは何かといった事に対する論評を見出すことでしょう。

でも、もし本作でそれ以上のことをやってしまっていたら、それはただのうぬぼれになっていたでしょうね。

しかし、スペクターさんは、このゲームの中にはノーベル文学賞を受賞しているトマス・スターンズ・エリオットの、現代主義的でとても影響力のある詩、『荒地』(The Waste Land)への言及もなされていると話していました。

 
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王の傷により不毛な場所となったこの「Cartoon Wasteland」にのみこまれた我らがヒーロー・ミッキーは、王とその王国を元通りにするために冒険を繰り広げます。本作のコンセプトは聖杯伝説のようなありふれたテーマともいえるでしょう。

ゲーム業界に入る以前は大学で教えていたこともあるスペクターさんは、たしかにそういったテーマとの関連性もあるだろうと述べています。あまりプレイヤーにそういった関連性については引き出してもらいたくない、とはしながらもこうも述べています。

文学に関する言及もしばしばそこに挿入しないといけません。

スペクターさんに影響を与えたのは、映画化もされた『ライラの冒険』シリーズでおなじみの子供向けの本の著者フィリップ・プルマンさん。プルマンさんは彼の著作の中で神学、哲学、そしてジョン・ミルトンの『失楽園』などと対峙しています。

フィリップさんがしていることは、私がしたいこと全てのインスピレーションの元となっています。つまり、子供にも魅力を感じてもらえ、それと同時に大人にも魅力を感じてもらえる作品をつくるということです。

 
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2007年11月、スペクターさんは彼自身のブログにどれだけフィリップ・プルマンさんの『黄金の羅針盤をゲーム化したいかを記していました。しかしスペクターさんはその時点ですでに『Disney Epic Mickey』製作の真っ只中だったと語っています。

ディズニーとの最初のディスカッションは2005年の9月でした。その後、退屈なビジネス関連の事柄でいろいろあり、それからコンセプトアートを仕上げ、その後には作品としばらく引き離されて、その後ようやくまた作品と一緒になれました。

そして2007年9月、ディズニーはスペクターさんのスタジオ、Junction Point Studiosを、本作のコンセプトワークと共に買収しました。

 
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この様な、世界中で知られ、愛されているキャラクターを基にしたゲームを製作できることは、『黄金の羅針盤』のゲーム化が実現しなかったという感情を満足させられるかとたずねられたスペクターさん。

確かにいくらかは満たされました、しかし完全に満足するような事があれば、それはリタイヤすべき頃合ですね。

ディズニーが提供してくれたこの遊び場で遊ぶ機会を得れたということ、それが本作が私に与えてくれた機会です。

ミッキー・マウスを弄ってるんだ」なんていうと、人々の目は輝きだします。

 
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本作でのミッキーは、これまで私達が見てきたミッキーというキャラクターと比べとてもダークです。しかしスペクターさんによれば、それでも越えない一線が存在するとの事です。

もちろんそこには線引きがあります、越えたくは無い一線ですかね。ミッキー・マウスについて人々に語ると、「ミッキーに銃やナイフを持たせてしまえ」と言ってくる人々がいるのですが、私はそうしたくはありません。

なぜなのでしょうか?

ただそこには越えない線があるのです。(ミッキー・マウスが)一時は越えていた線もいくらかあります、しかしそれらは今では越えてはならない一線なのです。ミッキーはかなりクレイジーなことも昔はしていましたね。しかし、時代は変わったのです。

 
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このゲームでミッキーがすること、それはゲーマー達に道徳上の決断を迫ることです。あるときは描き足し、またあるときは消し、それによりこの世界をどう変えるのか。それらの決断にはそれぞれに結果があり、環境や他のキャラクター達との関係、そしてミッキー自身の外見や能力にも影響を与えます。

このゲームの中核に位置するアイデアは、「選択とその結果」、そしてそれがキャラクターとプレイヤー双方をどう定義するかです。

やんちゃなミッキーをこれまで見たことも無いような環境において、彼に選択を迫るのです。他のディズニーキャラクター達を助けに行くのか? それとも自分の道を進むのか?

本作ではプレイヤー達に、彼ら自身のとった行動の結果と面と向き合ってもらいたいのです。究極的には、プレイヤー達は自問自答せねばならないでしょう。「僕はいったいどんなヒーローなんだ?」と。プレイヤーそれぞれが違った答えを持っているはずです。

 
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本作の初期のコンセプトは、Disney Interactive Studiosの、Think Tankで生まれました。

彼らが本作を私に売り込んできたときには、すでにオズワルドとか、「Cartoon Wasteland」に失われたキャラクター達が暮らす、などの設定は存在していました。

彼らが私にパワーポイントでいろいろ見せてくれたのです。「これら全て実現しなければいけないというわけではないですので、これらのアイデアは無視してしまってもかまいませんよ」と彼らは私に言っていたのですが、「なんでこれを無視できるっていうんだ、素晴らしいじゃないか!」と思いましたね。

本作のアイデアはThink Tankで生まれましたが、ゲームのヴィジュアルや方向性はスペクターさんと彼のチームにより発展していきました。

 
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彼とチームは長い時間をかけて、膨大な量のディズニーのアーカイブからコンセプトアートや資料を調べました。

私はリサーチ魔なんです。私はもともと研究員で、映画の歴史家でもありましたから、いろいろな記事や膨大な量の本、そしてそれらがつまった棚をたくさん持っていましたし、すでにバックグラウンドに関する知識はだいぶありました。

でもディズニーは、本当に素晴らしいアーカイブを持っていましたね。私はそこでファイルの山を何時間も掘り続けていましたよ。

このゲーム開発初期の段階で、ディズニーの記録管理人から、まだ彼らが9万件の画像しかスキャンしていないことを謝罪され、スペクターさんは驚いたそうです。

正直に言って、あのアーカイブの中から私達が引っ張ってきた資料だけを見ているだけでも、数日は経っちゃいますよ。

 
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意外なことに本作のインスパイアの元とはならなかったのはスクエア・エニックスの人気RPG、『キングダムハーツ』でした。

『キングダムハーツ』シリーズはプレイしました。しかしそこにはインスピレーションになるものはあまりありませんでしたね。彼らの描いたディズニーのキャラクター達は、普段我々が見る彼らとほとんど同じように扱われていました。私が求めているものは、もっとその枠をはみ出たものなのです。

新たな媒体で彼らキャラクターとインタラクトする機会が提供されている割には、キャラクター自体が再創造されたわけでもなかったですね。

 
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スペクターさんは、はにかみながらもどれだけデベロッパー達がディズニーのテーマパークからインスピレーションを受けたのか語ってくれました。

あんまり明かしたくは無いのですが、たぶん、いくらかのシーンはみなさんに見覚えがあるものになると思います。

Deus Ex』や『Thief』のデザイナーとして有名なスペクターさんですが、これらのような大人向けのゲームから子供や家族向けの部分もある本作を担当するにあたっては、とくに心配は無かったようです。

本作を担当する機会ができたときに、私は決断を迫られました。私はそれまで創ってきたようなオリジナルのゲームを創りたい気持ちも今だ持っていますし、一方ではこの世界的に有名なイコンを弄ってみたい気持ちもありました。ここまで有名で深いものを扱った仕事に出会える機会は一生に一度でしょうから、かなりストレートな決断でしたね。

 
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そしてこうも語ってくれたスペクターさん。

このゲームは子供達のために創っているわけではありません、私はゲーマーが楽しめるゲームを作っているのです。

表面上の楽しさだけを求めていない、味わい深い作品になりそうですね。北米市場では来年秋に発売予定の本作。これを機会に今では表舞台に上がることのなくなったディズニーキャラクターを再発見するのもいいかもしれません。

 
Brian Crecente(原文/abcxyz)

 

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