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『GTA:The Ballad of Gay Tony』レビュー:外伝だけどボリュームたっぷり

2009.11.03 11:00 | コメント[0] | トラックバック[0] | タグ:GTA | by ニール太平

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リバティーシティを舞台にした『GTA4』サーガの最終章、『GTA:The Ballad of Gay Tony(ザ・バラード・オブ・ゲイ・トニー)』のレビューがKotakuのスティーブン・トティーロ記者から届きました。

北米では10月29日に発売。Xbox LIVEダウンロード、または『GTA4』不要で別ディスクとしてリリースされる『GTA: Episodes from Liberty City(エピソード・フロム・リバティーシティ)』に収録されています。外伝的扱いの本作ですが、ワイルドでセクシャルな内容満載で新作並みのボリュームとなっています。
 

 
Rockstar Gamesの発言やトレイラーなどから、今回のエピソードが『GTA:San Andreas』のようなブッ飛んだ感じになることが示唆されていました。そのようなブッ飛び感はいくつかの場面で見うけられますが、ゲーム全体に及ぶようなものではなく、やはりどちらかというと『GTA4』のスタイルやトーンを踏襲しています。

この新作でいくつかの新しいアイデアを導入し、Rockstarの強烈なキャラ作りから、『GTA』の世界が一人の主人公キャラクターで成り立っているのではないことを再認識させられました。

気に入った点

こういう人たち知ってる:もちろん知人に殺人鬼やマフィアに追われているピル中毒のゲイ・ナイトクラブ経営者がいるわけではありませんが、女の子を独り占めにする遊び人や、お金やストレスの悩みで困っている人なら現実に知っています。そして携帯電話やウージーを金メッキにする奴を個人的には知りませんが、購買意欲におぼれて高いものをギラつかせるのはよくある、そして時として滑稽な人間の特性です。

『ゲイ・トニー』に出てくるキャラクター達は、過去の『GTA』の多くのキャラたちと同じく、よくある人間性をうまく捉えている点で他のゲームキャラと一線を画しています。本作のキャラ達は個性的で一緒にいるのが楽しく、彼らの身に何が起こるのかが気になります。

この場所知ってる:『GTA』の世界は我々の住む世界と違うことが起きているかもしれませんが、よく知っている街で(リバティーシティーのモデルはトティーロ記者の故郷でもあるニューヨーク)ヴァーチャルな生活をしていると、時としてその再現度に驚かされます。

例えばパラシュート・ミッションのために登ったビルが以前自分の職場があった高層ビルのレプリカだったりしました。また他のミッションでは以前自分がタイガー・ウッズを見かけたチェルシー・ピアーズのゴルフ練習場がほとんど完璧に再現されています。ただ、今回練習場の中にいたのは自分で、EAのゴルフゲームのプロモよりも暴力的な目的でそこにいたのですが。

もしリバティーシティーで再現されているニューヨークの細かい地理(坂道や看板の形など)間でわからなくてもRockstarが現実の土地を元にプレイヤーの感情を揺さぶろうとしているのは感じ取れるでしょう。他のどのゲームよりもリアルな感覚が、ゲームの楽しみを損なうことなくゲーマーに届けられます。

空にて:『GTA4』から進歩していることのひとつが、空中アクションの強化でしょう。主人公のルイスは使い捨てのパラシュートを購入して好きな建物からダイブすることができるほか、あらかじめ設定された15の地点で高層ビル、ヘリコプター、はたまたビルの上からバイクでジャンプしてスカイダイブするミッションが用意されています。マルチプレイヤーではスモークを使って相手に居場所を教えたりもできます。

『ゲイ・トニー』では以前の作品のものよりも強力なヘリコプターも用意されています。これで『GTA4』にはなかった、過去の『GTA』作品のような大混乱を引き起こすことができます。もちろん一番の楽しみはこのヘリからパラシュートで飛び降りることなんですけどね。

クラブにてゲーム内の肉体労働が楽しいと感じたのは、『シェンムー』でフォークリフトを運転したとき以来でした。どういうわけかRockstarはナイトクラブ経営を楽しいものにしてしまいました。この要素は夜にトニー・プライスのゲイじゃないほうのクラブ、Maisonette 9に行けば遊べます。まるで『GTA』をクラブという空間に詰め込んだゲームプレイです。基本は満員のクラブの見張りポイントを行き来して、客が何か問題を起こせばつまみ出すというものです。そしてその合間にムフフなことがあったりなかったり。

そして一番楽しいのが同僚からの緊急連絡で他の場所に急行しなければいけないという捻りが効いているところ。例えばトニーのゲイ・クラブでラッパーをパパラッチの群れから救出したり、何の役にも立たない女優にサンドイッチの差し入れをしたり。ポップカルチャーと狂った人々の衝突はみだらで暴力的な『GTA』の縮図のよう。

ほどよい滑稽さ:ファンは操作可能な戦車の再登場で『サンアンドレアス』のワイルドさが帰ってきたと喜んでいますが、『ゲイ・トニー』での走行車両の収録は華々しい再登場というよりは、義務的に収録された感が強いです。もっと面白いのは軍用ヘリです。しかし本当に楽しいのはバリウッド映画さながらのトニーのナイトクラブでのダンスナンバーでしょう。カラフルでカオスなRockstarの新たなる挑戦です。Twitterをもじったミッションやブロガーの命が狙われたりするところも面白かったですよ。

ジョニーとニコ:本作で一番強力だった場面のひとつが『GTA4』主人公のニコの登場でしょう。このシーンでニコはトニーの敵側の一人として後ろに立っているだけなのですが、これだけでプレイヤーが複数の人々の人生を体験できる『GTA』の魅力を感じました。『The Lost and Damned』のジョニーやシリーズの他のキャラも脇役の一人として登場します。多くの場合このようなキャラクター達のおかげで物語が違う視点で語られたり、キャラクターについてより深く知ることができます。しかし自分が以前プレイしたキャラクター見るのは衝撃で、さまざまな
人生が交錯する『GTA』の世界を懐かしく思いました。

魔法の瞬間:『GTA』をプレイしているといつも魔法の瞬間が待っています。以前は偶然起こった交通事故の爆発した車の壮大な光景などがそうでした。今回起きた魔法の瞬間は、あるミッションで殺人疑惑をかけられ警察から追われているときに訪れました。逃走用の車がちょうど新しい自己啓発ラジオ局からニューエイジのリラックスする禅な音楽を流していたのですが、パトカーから逃げているこの瞬間、以前の『GTA』では感じなかった「純潔」を覚えました。自分は殺人なんて犯していない、だからこの後何事もなかったかのように大丈夫になるさ、と...

ダブルでお届け:『ゲイ・トニー』はXbox Liveで20ドルで購入できるほか、『GTA: Episodes from Liberty City(エピソード・フロム・リバティーシティ)』にも収録されるので『GTA4』本体をもっていない方でも気軽にプレイできますよ。

気に入らなかった点

無傷の街:『GTA』は革新的なゲームであるにも関わらず、『プロトタイプ』や『マーセナリーズ2』のようなより劣るオープンワールドゲームのように、周りの環境が壊れたら壊れたままにはなりません。リバティーシティーでどんなに大暴れしても、レンガひとつ動かないのです。また、ミッション中に巨大クレーンが破壊されるイベントがあってもミッションが終わるといつの間にか何もなかったかのようにそこに立っています。環境の破壊という要素がRockstarの掲げるキャラクター重視のストーリとかみ合わないのかもしれません。しかし『グランツーリスモ』の車にもついに傷がついたのですから、Rockstarが作る街もいつか崩れる日が来るのかもしれません。

お母さん:いや、ゲームに出てくる主人公ルイスのお母さんや近所の友人などは気に入りました。しかし以前約束されていたはずの裕福層の犯罪と貧困層との間でのルイスの葛藤は、お母さん関連のミッションがすぐに終わることで消えたようです。

マルチプレイ:デスマッチでの連続キルによる報酬アップや超速ニトロ搭載車などマルチプレイの小さな改良はあります。しかし全体的に見てシングルプレイが魅力的すぎるのでマルチプレイは飛ばしてもいいような気もします。

長いレビューとなってしましましたが、これでもネタバレなどは抜いているのでゲームにはまだまだ内容が盛りだくさんです。もちろん『プリンセス・ロボット・バブルガム』や新しいラジオ局に関しても話したいのですが、ここでは我慢しておきます。あともうひとつ、家庭用『GTA』では初めてミッションのリプレイができるようになっているので、スコアやタイムの短縮にも挑戦できます。

『ゲイ・トニー』は発売前に言われていたほど狂ってはいませんが、『GTA4』という強固な土台の上に作られた華やかで面白い作品です。『GTA4』と外伝作品は一度にまとめてプレイするには量が多すぎたり内容が似通っていたりするかもしれませんが、複数のリリースにペースを分けることで最後まで成功を収めたようです。

 
Stephen Totilo(原文/ニール太平)

 

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