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コラム:3Dなんてもう古い!? ゲームを4D(四次元)へと導く男
四次元の世界。それは一体どんな場所なのでしょう?
まるで、古き良きSF小説に出てきそうな、この言葉。実のことを言うと、ピンと来ない方もいるのでは?
米Kotakuのトティーロ記者もその奥深いところまでは知らなかったうちの一人。異世界だの、宗教だの、物理化学。ちょっと調べてみると、頭が痛くなってしまいそうです。ある「四次元を再現したゲーム」がきっかけで、科学ミステリーに興味深々となったトティーロ記者。以下で、この深~~いレポートをどうぞ。
マーク・テン・ボッシュさんは、私(トティーロ記者)が唯一超能力の持ち主だと思う人物。でもそれはこの世のモノとは思えない強さでもないし、スーパーヒーローが持つヒート・ビジョンでもない。彼はそれらより優れたモノを持っているのです。
彼には第四の次元を見ることができると信じています。
それが本当ならば、彼は別格な人間。
しかし正確に言うと、ボッシュさんは「4Dで彫刻する男」。彼の彫刻刀はプログラミング。そして、大理石から姿を現すのは、彼のゲーム『ミエガクレ』。普通のゲームには果たせないことをこのタイトルは果たすのかもしれないのです。
それは私たちを笑わせるのでしょうか? それとも泣かせるのでしょうか?
それとも、単純に楽しませてくれる?
違うのです。このゲームは私たちに四次元を理解し、その中で移動する能力を与えてくれるのです。
『ミエガクレ』は四つの空間を操ってプレイするタイトル。水平のX軸、縦のY軸、奥行きを表すZ軸、そしてZに直角している四つ目のミステリー。
その第四次元こそ私たちの住む三次元の世界から飛び出ている空間。
私はマークに「神」が潜むかもしれないというその次元を見えるのかと願っていました。

私は今春、ボストンのゲーム・コンベンションでマークさんにお会いました。彼は、ゲームファンのために開催されているPAX EASTのインディーズ部門で自身の作品を出展していました。粗末なテーブルの上に置かれたPCで『ミエガクレ』は動いてました。元々大規模なゲーム開発の経歴を持つ彼だったにも関わらず、25歳になって自身が生み出した4Dをテーマにしたゲームで生きていこうとしているのです。
ボッシュさんに会うまでは、僕にとって彼の作品は頭が痛くなるモノでした。でも、それ以上に、私は彼のスゴさを勝手に妄想していました。彼に会って、こう言いました。「僕にとって、あなたはスーパーヒーローなんです。だって、四次元が見えるんでしょ?」
彼は僕の勘違いに優しく、こう返しました。
このゲームを十分に遊んだら、誰もができることですよ。実はそれが僕の目的なんです。
四次元について考えたり創作する人は実は以外と多く、彼もそのうちの一人。
以下の動画で紹介されている「ハイパーキューブ」と呼ばれる四次元の立方体なんてモノをレンダリングする人だっています。
ブラウン大学のトム・バンコフ教授は『ミエガクレ』をプレイしたところ、納得する作品だと、太鼓判を捺します。何十年間も四次元について研究をされている数学教授ですから彼なら解るハズです。
一方、ボッシュさんは4D思想家の中では珍しい。何故なら、彼は四次元の「ゲーム」を創ったからです。四次元の規則にちゃんと従う仮想空間を構成し、四次元をインタラクティブにしました。そして私たちは、このゲームをプレイし、4D空間を探検して体験できるようになった。
基本的に言うならば、『ミエガクレ』はアクションパズルのジャンル。プレイヤーは、キューブで出来た風景に立つキャラクターを操作し、ゴールに向かって時には立方体を引っぱったり、押したり、登ったりする。四次元のテーマがなければ、とてもベーシックな3Dマリオのゲームみたいなモノです。
ボッシュさんが本作で利用する四次元のコンセプトは「スライシング」と呼ばれています。彼の作品は、四次元の「切れ端」をひとつひとつ見せてくれます。この切れ端は三次元であり、四次元の世界を三次元で表現しているワケです。解りにくいですが、『ミエガクレ』はそれをちゃんと実現しています。
例えば、キューブのような三次元のオブジェクトがあるとして、それはスライスできますよね。水平線にそってスライスしたら、平べったい四角が出来て、二次元の面が立方体に存在するという事。
今度は、その立方体とスライスされた四角を頭に浮かべたまま、その四角がキューブの中で回転され、水平ではなく縦のスライスになったのを想像してください。そうすると、新しくできた断面と最初の断面には交差された線が共有されます。

もし、最初にできた水平のスライスが『スーパーマリオブラザーズ』の1-1だったら。スライスを走っているマリオと同時に、プレイヤーがボタンを押して、そのスライスを回転したら、どうなるでしょう。マリオは二次元の世界を走っている途中でそれに直角している異世界に移動してしまいます。
可哀想なマリオは全面が存在するキューブを遠くから見ることは出来ないですが、二次元のスライスを上手く次々と移動し、三次元を探検する事が可能です。
『ミエガクレ』こそ、上記で例えたようなゲームですが、二次元ではなく、三次元のスライスを使用して四次元を体験します。
本作の世界は、四次元で創られており、プレイヤーは僅かな部分だけをちらっと見ることができる。そのかわり、プレイヤーはいつでもボタン入力で3Dのスライスを回転させて、新しいスライスを作ることができます。キューブの中で回転された2Dのスライスに交差しているラインがあるように、『ミエガクレ』ではひとつの三次元スライスが次へと変わる時、3Dの空間が残ることになります。
本作をプレイしていると、本当に頭が痛くなってきますが、ボッシュさんには全く問題がないそうです。
四次元の奥深い内容は他の人より分かるのかもしれない。でも、ワールドを制作する時、僕はただ四次元の色んなスライスを考えて、それを創るだけ。僕にも分からないことがあったら、試しに創って、何が起こるかを確かめるだけです。
と、ボッシュさんは言う。
これこそが『ミエガクレ』の良さ。本作をプレイしている時、4Dを想像する必要はなく、主人公を動かして、四次元というものを実際に体験できるのです。
バンコフ教授からしたら、『ミエガクレ』が再現する3Dのスライスは美しい成果。
ビルの中で移動している際、エレベーターに乗るのとあまり変わらない。(エレベーターと言う名を持つ)箱に入り、時間が経過して箱から出ていくと、違う場所にいる。それと一緒だ。
彼らと喋っていると、四次元なんかごく普通なものと感じてきます。
バンコフ教授はこう言います。
立方体が三次元の空間の中で回転すると、私はどうなるかが解る。長い経験のお陰で、四次元の空間で回転する立方体がどんなモノかも解る。違う一面が次々と見えてくるんだ。
先程のハイパーキューブの話です。ただの記者の私ですから、こんな話をしていると、頭痛に襲われてしまいます。ハイパーキューブはさておき、『ミエガクレ』なんて、四次元を理解するだけではなく、四次元で遊ぶことができますからね!
私にとって、四次元は怖るべきモノ。しかし、ボッシュさんやバンコフ教授にとっては、容易に考えられること。
四次元のサイコロで遊ぶ人もいるぐらいだからね。
と、ごく普通のように言い出すバンコフ教授を、私は「ちょっと待って~!」というような感じで説明を求めます。
4Dのサイコロはインディアナ大学の物理化学教授であるアンドリュー・ハンソンによるモノだと、バンコフ教授は言います。
ある視点からサイコロを見ると、6つの数字のうち、3つが見える事は、分かりますよね。真っ正面で見たら、1つだけかもしれません。それを四次元でも出来るんです。8面あるうち、1回で4つが見える。
従来のサイコロを見てみると、一点に集まる3つの平行四辺形があるのが分かる。言い換えてみれば、三次元の空間には4つのデフォルメされた立方体が一点に集中しているワケです。それらには数字が真ん中に浮いている様に刻まれており、四次元の空間の中で回転すると、幾つかのキューブのうちひとつが消えてなくなり、同じ面にもうひとつが現れる。規則としては、三次元のサイコロの数字が消えて反対側の数字が現れるのと変わりません。四次元の中で物体を回転すると、今話したことが起きるのです。
勿論の事ですが、私たちの持つ三次元の眼は4Dのサイコロ、そして『ミエガクレ』が表現する世界の全てを一斉に見る事は出来ないというワケです。
ボストンの会場で、ボッシュさんと私は、天国について語りました。聖書に登場する天使と神が住むその世界は、ある意味『ミエガクレ』の見えない世界とアンドリュー・ハンソンの四次元サイコロの説明には、何か一致しているのではないか。我々の三次元の世界と関係していると同時に、見えない異世界でもある。
四次元が見える人がいるとしたら、3Dのスライスからスライスへと移動し、この世界に存在しながら、私たちには見えないのかもしれない。その人物はいつでも、我々の世界に訪問することができても、三次元の私たちには手の届かないどこかにいる。
僕も考えたことがあるよ。天国と地獄は四次元に存在するのかと。ちょっとしたパラレル・ワールドみたいな感じではないかな?
と、ボッシュさんが言う。
ボッシュさんは無宗教ですが、スピリチュアルなものが四次元と関係しているかもしれないという概念は気にいっているよう。
四次元の思想が始まった時、宗教的な人々はその数学的な内容を利用して、神の存在を説明しようとしたんです。彼らは、幽霊などが四次元の中を彷徨っていると発言しました。
マーク・テン・ボッシュさんに四次元が見えるのだったら、ここボストンの会場が4D世界のスライスだとして、新しい3Dのスライスに回転する時を見えると、私は信じていた。私たちの身体が四次元に広がり、まるで私から3つ目の腕が四次元へと伸びているのかどうか教えてくれるのではないか、と。
しかしながら、ボッシュさんはこんな能力を持っていませんでした。でも、四次元の夢は見るそうです。
ちょっと前に見たんです、僕のゲームが夢のなかでそのまんま動いて、回転が起こっていたんです。何かを探そうとし、私は夢の中でスライスをするように移動していました。
しかし、ボッシュさんとバンコフ教授は四次元が存在すると言い切れません。バンコフ教授は、質問を避けるし、ボッシュさんは物理化学者ではないから答える事ができないと言う。
このゲームを創る目的は、四次元が実在したら、僕たちの世界観ではっきり分かるように、どう見えるのかを探るためです。
ボッシュさんは開発が進行中の『ミエガクレ』をいずれPC、家庭用ゲーム機でダウンロード配信でのリリースを願っているそうです。人をただ楽しませる以上の何かを持つこの作品。バンコフ教授やボッシュさんのように脳を動かせるようになるのでは?
ボッシュさんは最後に言い残しました。
人が産まれてきて、脳の中で三次元を理解する能力は一切ない。ただ、それを自然と憶えるだけです。遊んで、触って、何が起きるのかを探る。ビデオゲームは僕たちに経験できないモノを味わせてくれる。ただ遊んで体験する事によって、脳もどんどん働くのでしょう。
三次元の新生児に過ぎない私たちに、ボッシュさんは四次元の積み木遊びをしてもらいたいそうです。彼は超能力を持っているワケではないのですが、もしかしたらこのゲームのお陰で私たちがスーパーヒーローになれるのかもしれません。
(※一部省略)
Stephen Totilo(原文/サチ・コクスン)

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