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Irrational Gamesケン・レヴィン氏インタビュー:『BioShock Infinite』は正統なバイオショックシリーズ新作です

先日お伝えしましたように、ニューヨークにて開催されたIrrational Gamesのプレスカンファレンスにて、『バイオショック』シリーズ新作『BioShock Infinite』のトレーラーがお披露目されました。
このトレーラー、そして続けて披露されたデモプレイを見るに、この新作タイトルはラプチャーが舞台でもなければ、リトルシスターも登場しません。その上、(今のところ)ストーリー上の繋がりもないようです。果たして本作は正統なシリーズ作品と言えるのでしょうか?
米Kotakuトティーロ副編集長が、Irrational Gamesのクリエイティブディレクターであるケン・レヴィンさんへ突撃取材を敢行してくれました。
正直、これはバイオショックであるとしか言いようがありません。
プレスカンファレンスの数時間後に行われたインタビューにて、レヴィンさんはそう述べました。
お披露目されたデモプレイは確かに素晴らしいものでした。しかし、レヴィンさんは『バイオショック』とは別の新規タイトルに着手しているものだと思ってました。
実際、Irrational Gamesは今年発売された『バイオショック2』の開発には関わらず、結局テイクツー・インタラクティブの元、いくつかの姉妹スタジオによって制作されることに。
新作においても、前2作同様主人公は右手で銃を、左手で超能力を操りながらの活躍を見せてくれますが、その舞台は遥か大空へと移ってしまいました。やはりこの疑問が頭をもたげます。これって本当に『バイオショック』と呼べるのでしょうか?
おそらく本作のプレーヤーはこう思うでしょう、『どういうことなんだ? 続編だけど、続編じゃないじゃないか?』矛盾した疑問でしょうが、それでいいんです。(前2作との)ストーリーの繋がりに関しては考えたくもありません。それが建設的な会話になるとは思えないですね。

Irrational Gamesが制作を拒否した『バイオショック2』に関しても質問をぶつけてみました。
初代『バイオショック』発売直後は、まだ次に何をするかは決まっていなかったんです。色んなものに手を出しつつブラブラしているような状態でした。ただ1つはっきりしていた事は、今は『バイオショック2』をやるタイミングではない、という事。
テイクツーは文字通りの続編を作りたがっていたので、舞台は当然またラプチャーになることを求めていたんです。我々チームは『バイオショック2』の制作に関与しないことで、スタジオとしての意思を世間に示したと言えます。
レヴィンさんお気に入りの初代『バイオショック』には、ある方法論とも言えるものが取り入れられていて、それは『BioShock Infinite』の制作にも役立ったのだとか。
その当時、チームは我々が持つ基本的なフレームワークを次に取り組むタイトルにも生かしたいと考えていたんです。実際、初代『バイオショック』のフレームワークにしても、以前の作品『システム・ショック』のノウハウが生かされていたんです。
しかし、これは他の記者達にもお話したのですが、そこにアンタッチャブルなものは何1つありません。我々は良いと思ったものは進んで取り入れますし、不必要なものは恐れず切り捨てます。
レヴィンさんによれば、『BioShock Infinite』が正統なシリーズ作品たる理由として、以下の2点が挙げられるそうです。
世界観:レヴィンさんの言葉を借りれば、シリーズ作品はいずれも「見慣れぬ、幻想的な世界ではあるが、不思議と馴染みもあり、現実に存在するような感覚をも感じられる」世界観になっています。
前2作の舞台はラプチャー、客観主義的理想を持って建造され、荒廃してしまった海底都市で、1950年代のアール・デコ調のデザインで彩られています。対する『BioShock Infinite』の舞台は1912年、『Columbia(コロンビア)』と呼ばれる空中都市。白人を支配階級に置き、神をも恐れぬ社会を作り上げ、アメリカこそが最も偉大な国だとみなす誇り高き人々が住んでいます。
なるほど、「幻想的で、不思議と馴染みがある」というのもうなずけます。レヴィンさんはこう語りました、「『バイオショック』シリーズと同じ感覚を味わえるゲームに、『バイオショック』の名を付けない訳にはいきませんよね。」
戦闘手段の多様さ:まさにこれこそがシリーズの肝ではないでしょうか。「もう1点は、戦闘においてプレイヤーが目の前の問題に対処する時に、膨大な数の手法が用意されている、ということです」、とレヴィンさんが語ったように、前2作においては色んな手法を用いて敵に対処することが出来ました。例えば射撃、ハッキング、ステルス、プラスミド(超能力のようなもの)、加えて警備ロボットを味方にしたり、敵を混乱させて暴走させたり、罠を仕掛けてみたり、などなど。
『BioShock Infinite』ではそれらの戦闘方法に新たな要素が加わり、さらにゲームプレイの幅を広げてくれそうです。先日お伝えした記事のように、その新要素とは次の2点、『Elizabeth(エリザベス)』と『Skyline(スカイライン)』です。
エリザベス
プレイヤーの操作する主人公、『Booker Dewitt(ブッカー・デウィット)』によってコロンビアから救出されようとしている女性です。
もしプレイヤーが望めば、彼女は主人公の超能力の、いわば増幅装置として力になることができます。もちろん初代『バイオショック』のように、自分1人の力で道を切り開くこともできますよ。エリザベスの方から積極的に戦闘に関与してくることはありません。彼女は初代では出来なかったスケールの戦闘を可能にするために存在しているんです。
前回の記事の通り、デモプレイではエリザベスが敵の頭上に雨雲を呼び寄せ、デウィットが雷嵐によって敵を黒こげにしてやるのを助けるシーンが見られました。それに加え、コンピューターが操作するキャラクターであるエリザベスは、ストーリーテリングにおいても重要な存在のようです。
本作において、エリザベスに対する部隊指令のような要素はありません。彼女は独立して動く存在で、プレイヤーの1つ1つの動きに対して様々な反応を見せます。彼女の言葉さえも反応によって様々なんです。『Left 4 Dead』に共通するような、プレイヤーの動きに反応して色々な事を話すという点、そしてデモプレイで見られたように、戦闘において主人公の力になるという点を組み合わせたのが本作のエリザベスというキャラクターです。彼女が自ら敵を殺すことはありません。彼女はただ主人公の手助けをするだけです。彼女が主導になって物事が進むことだけは避けたかったんです。
スカイライン
コロンビアの街中をクモの巣のように広がる鉄道。Irrational Gamesはこれをただの移動手段だけにはとどめず、戦闘手段としても機能させているようです。前回の記事にもあったように、これは『Halo』におけるワートホグのように戦闘のペースをがらっと変える存在なのか、というトティーロ記者の考えにレヴィンさんは同意しつつ、こう答えてくれました。
確かにスカイラインは本作で導入された乗り物です。しかし大事なのは、これは『ラチェット&クランク』で登場する物のように、単に点と点を結ぶ移動手段ではないということ。それ以外にも色々な使い道があるんです。列車は次々とやってきますから、それらに飛び乗りつつ移動することが出来ます。より速く移動するためのものであり、プレイヤーがより遠くへ足を伸ばすためのものでもあります。敵でさえもスカイラインを利用します。
問題としては本作がシューティングゲームであるという点で、そのゲーム性を妨害しないように、スカイラインを利用する時は銃座付きのジェットコースターに乗っているかのような味付けにしてあります。ただし次から次へと目まぐるしくジェットコースター間を飛び移っていくことになりますが。『よし、敵はそっちから来るから、オレはこっちから回り込んで奴らを脇から突いてやろう』、なんて楽しみ方が出来ますよ。
レヴィンさんによれば、次回のデモはこのスカイラインにフォーカスしたものになるそうですよ。
Irrational Gamesが『バイオショック2』の制作に参加しない事を発表したとき、はたから見れば誰でも彼らがシリーズを離れたと思ったことでしょう。ある意味それは正しかったのかもしれません。
しかし『バイオショック』シリーズは何をもって『バイオショック』足るのか、というレヴィンさんの信条を信じるのなら、『BioShock Infinite』はまさに正統なシリーズ新作と言えるのではないでしょうか。
米Kotakuのコメント欄にもレヴィンさんを支持し、『BioShock Infinite』を待ちわびる声が多く見られました。たとえストーリー上の繋がりが無かったとしても、ボクらが一番期待するのはクリエイターが作品に対する姿勢を貫いてくれることですよね。
NeVeRMoRe666:(抜粋)アーティストや映画監督、ゲームデザイナーが1つのコンセプトに熱心になって、それを貫いてくれるのを見れるのは素晴らしいことだよ。なぜかは分からないけど、そんな人達の作品には何か光るものが感じられるんだ。
Stephen Totillo(原文/上原理)

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