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『メトロイド アザーエム』レビュー:未来の映像表現と洗練された戦闘システム

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1986年の初登場から24年、メトロイドはここまで進化しました。

9月2日の発売日を目前に控え期待の高まる『メトロイド アザーエム(METROID Other M)』ですが、肝心の内容は一体どのような仕上がりになっているのでしょうか? 米Kotakuのトティーロ編集長が一足先にレビューを届けてくれました!

 


 
『メトロイド アザーエム』は非常にバラエティー豊かなものになっています。ある時はTPS、またある時はFPS、横スクロールになったり、そうでなかったり。

戦闘に重きを置いているのかと思いきや、探索パートもしっかりしています。複雑なストーリーが展開されますが、その雰囲気は過去作品同様、静寂でヒリヒリとさせられます。操作系統は驚くほど上手くまとめられていますが、少々扱いにくいことも。

そしてどういうわけか、他のいわゆる次世代機の作品よりもグラフィックが綺麗だったりするんです。
 

 
本作は1994年にスーパーファミコンで発売された『スーパーメトロイド』の続編であり、多くの意味でメトロイドシリーズの正統な後継者と言えるのではないでしょうか。すなわち、サムス・アランを操作して宇宙基地を隅々まで探索。新しい能力を身につければ来た道を戻り、新たな道を開拓、新たな敵と対峙してゆくわけです。

しかし特筆すべきことに、本作では新たに実験的な要素が追加されています。

本作を一言で表すとすれば、「英断」です。例えば『メトロイド』シリーズは大ヒット横スクロールSFアドベンチャーゲームを『プライム』でFPSにしました。そして今回、『METROID Other M』は3本のFPS作品を経て、シリーズに『メトロイドプライム』以来の大胆な変化を加えたのです。

それでは本作はどのような仕上がりになっているのか、以下にまとめてみました。

良い点

サムスたんカッコよすぎ:おそらくサムス・アランを嫌いな人なんて存在しないでしょう。本作でも彼女はお馴染みのアーマーに身を包み、見覚えのある凶悪なエイリアン達を相手に華麗な姿を披露してくれます。もちろんモーフボールも忘れてはいませんよ。

しかし本作のサムスはよりスタイリッシュになって帰ってきました。強力な近接戦闘を身につけ、アクション満載のデモシーンも用意されています。もちろん他にもクールな特殊能力が用多数用意されており、ほとんどが過去シリーズからの引き継ぎとなっています。

戸惑うほどのグラフィック:どうしたら性能で事実上劣るWiiのタイトルである本作が、いくつかのHD機のゲームよりグラフィックが綺麗、なんてことが起こりうるのでしょうか。Wiiタイトルのグラフィックランキングがあるとすれば、本作が『マリオギャラシー』を抜いて堂々の1位でしょう。

映画顔負けのクオリティーを誇る多数のプリレンダムービーもさることながら、プレイ中のアクションも詳細に描かれ、美しい仕上がりで思わず見入ってしまいます。任天堂とTeam Ninjaの仕事っぷりは評価に値します。サムスの仲間キャラクター数名かはいくぶんのっぺりとしたグラフィックとなってはいるものの、敵キャラクター、そしてサムスが探索のほとんどを費やす「Bottle Ship」のおぞましさは必見です。

決して邪魔にならない仲間達:ゲーム序盤にサムスを待ち受けているのは、軍隊時代の元上司アダム・マルコビッチ率いる政府の兵士達です。そのため本作は仲間と共にステージを進んでいくのかと誤解するかもしれません。シリーズ成功の鍵となった孤独な探索、戦闘を捨て、ナレーション過多のチームプレイを採用してしまったのかと。

しかしご安心を。これらの兵士達は徐々に離脱していき、その後ほとんど登場することはありません。とある場面ではサムスが1人の兵士と協力しながら戦闘に臨むことになるのですが、これは『メトロイド』シリーズにおける協力プレイの可能性について、ちょっとしたヒントをくれるものでした。この手のシーンがもっとあっても面白かったかもしれません。

未来のゲーム:本作を実際にプレイしてみて感じたのは、これは未来から来たゲームなのだという印象でした。つまり、本作はゲームデザイナーがTPS、FPSなどの特定の表現方法にこだわりを持たなくなった未来で製作されたのだ、ということ。

『メトロイド アザーエム』はまるで映画監督が製作を手がけた映像作品のようで、ストーリーやテーマを表現するためにはどのようなカメラワークでも取り入れよう、という姿勢が感じられます。

戦闘時には基本的に3人称視点で描かれ、カメラは頭部から覗き込む角度、もしくはサイドに固定されます。これはサムスを操作し、部屋を走りまわって敵を射撃するのに向いています。また、プレイヤーはいつでもFPSモードに移ることができます。こちらの視点ではサムスの動きは制限されてしまいますが、より正確な射撃や隠し通路を探したりするのに重宝します。

驚くべきことに、時にカメラは『バイオハザード4』のように背後からの視点に切り替わることがあります。大抵これは重要な会話、ストーリが進行している時のものです。またある時は1人称視点に固定され、特定の時点まで解除されなくなったりもします。操作不可能なデモシーンが挿入されることも。

これらのカメラワークが上手い具合にミックスされ、『ゴッド・オブ・ウォーIII』にも通じるような見事な演出となっています。固定観念に囚われずに映像表現を優先させることで、本作は最大の成果を得られたのではないでしょうか。

 
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驚きの戦闘システム:本作では回避とカウンター攻撃を重視するようにサムスのキャラが調整されています。操作はWiiリモコンのみ、コントローラーを水平に構え、十字ボタンで移動、12ボタンでジャンプ、射撃、ローリングを操作します。回避は最も重要なアクションで、すかさず強力なカウンター攻撃を発動することができます。

このシンプルなボタン操作で多くのクールな近接攻撃も繰り出すことができます。残念ながら、敵の頭に飛び乗って致命的な攻撃を与える攻撃に関しては、少々出しにくく、正確性に欠けるものでした。

Wiiリモコンを画面に向けるとFPSモードに切り替わります。ちなみにミサイルはこのモードでしか使用することができません。エイムアシスト付きの三人称視点でのスピーディーなアクション、そして足を固定した状態での一人称視点の重火器攻撃の切り替えが、ゲームプレイに面白い緊張感を生み出しています。

初めは視点を切り替えながらのプレイに戸惑いがあるかもしれませんが、慣れれば戦闘をスムーズに進めることができます。ただ1点だけ不満を感じた点があるのですが、それはレビューの後半で。

親切設計:本作はチェックポイント制になっており、たとえ死んだとしても遥か以前のセーブポイントまで戻されることはありません。

また補給ポイントが導入されたことで、エネルギーやミサイル集めに奔走することもありません。補給はWiiリモコンを垂直に持ち、ボタンを押しっぱなしにすることで開始されます。ただし補給には時間がかかるということに注意しなければなりません。敵に攻撃されれば中断されますし、エネルギーは体力が底をつきかけている時にしか補充することができません。このような洗練されたシステムは大歓迎です。

 

 
悪い点

融通のきかないコントローラー:『メトロイド アザーエム』はWiiリモコン専用タイトルだと公式に発表されています。なぜでしょうか? 操作が複雑になってしまうとユーザーが離れてしまうから? そもそもメトロイドシリーズにはコアなファンがついています。操作にヌンチャクが加わろうが、彼らがシリーズから離れてしまうことはないでしょう。

Wiiリモコン専用になったことで、『バイオハザード4』スタイルの視点を十字ボタンで操作することがいかに愚かなことかが分かるでしょう。白熱した戦闘の最中にWiiリモコンを画面に向けて一人称視点に切り替えるのがいかにうっとうしいか、そしてポインターが画面からちょっとはみでただけで切り替えに失敗したときのイライラときたらそりゃもう。

デフォルト設定としてはWiiリモコン専用でも構いません。しかし操作性はもっと向上させるべきです。3Dゲームはアナログスティックの方がしっくり来るユーザーも多いでしょうし、別のコントローラーもサポートされていれば良かったです。

陳腐な陰謀もの:長い間、任天堂は暗黙のうちに重厚なストーリーでデモシーン満載のゲームを避けてきたのだと思っていましたが、どうやら間違っていたようです。

『メトロイド』シリーズを手がけてきた坂本賀勇さんの指揮のもと、任天堂が考えついたストーリーは陳腐なものでした。『メタルギア』、『バイオハザード』シリーズで既に使い古されてしまったようなテーマばかりで、未熟な指導者、大量破壊兵器、政府の陰謀。救いがあるとすれば、これらのテーマに基づくデモシーンのほとんどがゲームの序盤と終盤に集中されていることでしょうか...。

実は『メトロイド アザーエム』の出来については懐疑的でした。あの素晴らしい『メトロイド プライム』シリーズは超えられないだろうし、横スクロール時代の作品にも劣るだろうと。

しかし、実際蓋を開けてみれば本作はとても良い出来に仕上がっていました。シリーズの他の作品を超た、とはまだ言い切れませんが。

プレイスタイルのミックスに関しては文句の付けようがありませんが、コントローラーの問題が残念です。伝統の探索、戦闘を楽しむメトロイドゲームがお好きであれば、本作はきっと満足がいくものでしょう。大人で父親どうこうが無いサムスが好みであれば分かりませんけど。

クリエイターが安易なデザインをせずに続編を作る、ということがどれだけワクワクすることなのか、それを本作は教えてくれます。これはクリエイターが勇気ある決断をして製作した良作です。プレイする価値は十分にありますよ。

『メトロイド アザーエム』は任天堂とTeam Ninjaによって製作され、2010年9月2日発売予定です。トティーロ編集長はキャンペーンを10時間程プレイ、アイテム収集率58%でした。

警告:エンドクレジットが流れている時に電源を切らないこと。何か重要なものを見逃してしまうかも。

[訂正2010.9.1]初出時、発売日の表記が「9月4日」となっておりました。謹んで訂正させていただきます。
 
Stephen Totilo(原文/上原理)

 

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METROID Other M(メトロイド アザーエム)


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コメント(2)
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メトロイドが日本でこれほど取りざたされたことがあっただろうかw
プライムシリーズも面白いんですけど、
自分の周りでは誰も持っている人がいません。

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現代のファミコンゲームをつくるとまで割りきっておきながら、まだまだ割り切れなかった雰囲気が感じられますね。ストーリーはまあどうでもいいんですが、Wiiリモコンのみ対応ならばカメラワークは全てのシーンで全自動にすべきでしたね。

ただ、Wiiのゲームは既にエミュレータで実用レベルまで動作することが知られているので、Wiiリモコンのポインティングを導入したのはあるいはエミュレータ対策かもしれません。(エミュレータでもポインティング操作は可能ですが設定などがかなり面倒になります)

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