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『コール オブ デューティー ブラックオプス』レビュー:シリーズ最高傑作か?ストーリーテリングはこうあるべき
いよいよ『コール オブ デューティー ブラックオプス』の字幕版が発売となります。
残念ながら日本版には規制が入ってしまうようですが、それでも発売を心待ちにしている方も多いのでは。
そのワクワクをさらに煽るべく、米Kotakuのクレセンテ編集長が本作のレビューを届けてくれました。どうやらかなりの良作に仕上がっているみたいですよ。
『ブラックオプス』は緊迫した冷戦時代を舞台にした防諜活動を描き、第2次世界大戦を舞台にしたゲームと現代戦を描いたゲームとの橋渡し的な作品となっています。
Treyarchがシリーズで初めて第2次世界大戦以外を舞台に設定した本作。とある特殊部隊のキューバ、ロシア、ベトナムでの秘密作戦が描かれ、冷戦下に世界の陰でどれだけ重大な脅威が人知れず進行していたのかという骨太なストーリーが展開されます。
シリーズのどの作品と比べてみても、本作ほどの緊迫感をそなえる作品、そしてこれほど刺激的で決してダレることのないストーリーを持つ作品は無かったのではないでしょうか。
ゲームとは非日常的な体験の追求であるべきで、現実においてもゲームにおいてもこれまでやったことがないことを体験できる機会であるべき、そんなゲームとしてとても大事なことを本作は思い出させてくれます。
こんな人におすすめ
大人のFPSファンで、よく練られた脚本でテンポよく進むストーリー、それに加えてしっかり作られたマルチプレイヤーを備える、そんなゲームを求めているアナタ。
どうして注目されているのか?
Infinity Wardが2007に手がけた『コール オブ デューティー モダンウォーフェア』がモンスター級のヒットを記録してからというものの、Treyarchはいわば「影にかくれた存在」となってしまいました。つまり単に『モダンウォーフェア』新作までのつなぎであり、良く出来た第2次対戦モノを作るデベロッパー、という以上の評価はされてきませんでした。
ですから本作はTreyarchにとって勝負をかけた作品。自分たちは決してIWの新作が出るまでの場つなぎをするためだけに存在しているわけじゃないし、冷戦時代はゲームの舞台としてとても魅力的であるのだ、ということをゲーマーに向けて証明してみせるチャンスなのです。
『モダンウォーフェア』ファンにもアピールできる作品に仕上がっているか?
Infinity Wardは優れた作品を作りますが、それはTreyarchも同様で、前作『Call of Duty: World at War』で既に証明されています。プレイヤーに一本道のストーリーを追わされている感を与えることなく映画的演出の作品に仕立て上げる、という点では、『モダンウォーフェア』でさえ為し得なかったことを今回Treyarchがやってのけたと言えます。
プレイヤーが尋問室で拘束されているシーンで始まるオープニングからラストまで、次にどんな展開が待っているのか、そしてどのように今の状況を切り抜けていくか、これらがプレイヤーの心を掴んで離しません。本作はIWの各作品と比べても同等か、あるいはそれ以上の作品に仕上がっているといえます。
過去の時代が舞台なので、新たな体験は望めないのでは?
もし本作が60年代の一般的な戦闘、戦争を描いていたとしたらそうだったでしょう。しかしプレイヤーが実際に本作で体験することになるのはあくまで隠密作戦。そこには今まで見た事もないような武器があふれています。
キャンペーンに現代の武器は登場しませんが、代わりに火炎放射ショットガン、爆発物を矢じりに付けたクロスボウ、そしてポンプアクション式のグレネードランチャーなど数々の魅力的な武器が登場します。
『ブラックオプス』は他のFPSと何が違うの?
多くの作品に見られるように単にひたすら銃撃戦を繰り返すのではなく、およそ15のミッションの中でカットイン、アウトを利用してドラマティックに戦闘が描かれています。
ストーリーテリングも秀逸で、ストーリーを先に進めるために単に歩かされたり、戦闘の合間にムダに待たされたりなんてことは決してありません。プレイヤーはただひたすら激しい戦闘に直面し、息をつく間もありません。
本作の激しさはまさに「大人向け」
本作は筆者がこれまでプレイした中で最も「大人向け」なゲームと言えます。それはこのゲームが、戦闘というものがどれだけ激しいものになりうるのか、という点をリアルに描いたものであるからです。本作のアクション、拷問、死に方は時に凄惨すぎて、思わず顔を背けたくなる時もあるほど。
もしこれらの表現がやり過ぎだと感じたならば、セッティング画面で残酷表現の設定を変えることもできます。これは単に血が緑色になったり、罵り言葉を消したりするようなものではなく、なんとデモシーンがまるごと変更されます。ストーリーを変えることなく、激しい拷問などの残酷表現を含むカットシーンが別のものに差し替えられるわけです。

では悪い点はどうか?
およそ5時間程度でクリアできるキャンペーンの3分の1ほど進んだ時点、とあるミッションにおいてTreyarchの過去の第2次世界大戦モノをプレイしているかのような錯覚にとらわれる瞬間がありました。
突如として、無限に湧いてくる敵を相手に単身突っ込んでいく場面に切り替わってしまったのです。駆け引きやタイミングなんてものはどこかにすっ飛んでしまい、一人ずつ敵を倒しながらジリジリとマップを進んで行くしかなく、なんともイライラする場面でした。比較的短い時間だったとは言え、Treyarchが過去に葬ったはずのものが垣間見えた瞬間でした。
マルチプレイヤーの仕上がりはどうか?
基本的に本作のマルチプレイヤーは、『モダンウォーフェア2』のエッセンスを継承しています。本作でもランクアップする事で新たな能力や武器、装備が解除されていきます。ただし単に過去の要素の寄せ集めには終わらず、新たな微調整や新モード、マップなど、さらに独自の要素が加えられています。
最も大きな変化は「賞金マッチ」と呼ばれる新モード。これは各プレイヤーが武器などの解除などに使われるCODポイントを賭けて対戦するモードです。この勝負は勝っても負けてもおおごとになるだけに、マルチプレイヤーに程よい緊張感を生む歓迎すべき追加要素ではないでしょうか。『モダンウォーフェア2』のマルチプレイヤーから本作に人を呼び込めるだけの魅力は詰まっていますよ。
ゾンビモード再び
今回は本編をクリアせずとも、メインメニューからいきなりゾンビモードをプレイすることが可能です。本作のゾンビモードには新マップ、武器、そして新たなゾンビタイプが登場、さらにプレイアブルキャラクターとして政治家たちが登場します。
このモードだけを1つの作品として売り出せるのでは、と思わせるほどの完成度になっています。さらに隠し要素として、『スマッシュ T.V.』を彷彿とさせるレトロ風味のトップダウンシューターが隠されていますよ。こちらも敵はゾンビとなっています。
他にもさまざまな追加要素が
本作では「コンバットトレーニング」と呼ばれるモードが追加されており、AIを相手に全てのマップで「フリー・フォー・オール」と「デスマッチ」を練習する事ができます。そして画面分割でのオンラインプレイが登場し、今回は1つのコンソールで同時に2つのXboxLIVEゴールドアカウントを使用する事ができるようになりました。
また、「シアターモード」と呼ばれる要素が追加。プレイヤーは自分のプレイ動画を撮影し、ウェブにアップすることが可能になりました。これらの追加要素はどれも小さな変化に見えますが、シリーズに長い間欠けていた隙間を見事に埋める要素の数々ではないでしょうか。
総括
『ブラックオプス』のストーリーは素晴らしいの一言。たとえゲームとはいえ、歴史を遡った舞台で様々な場所を訪れ、非日常的で心奪われる体験ができるのはすごいことです。しかし本作最大の魅力は、ナレーションとゲームプレイによって紡がれるストーリーテリングです。
ゲームが進むにつれ、丁寧に作りこまれたゲーム部分をプレイしている時と同じくらいカットシーンにのめり込んでいく自分に気がつきました。思い返せば、自分があたかもストーリーの中にいると勘違いしてしまうほど没頭していたんです。それだけ熱中できるほどのストーリーテリング、グラフィック、カメラワーク、脚本。これこそがゲームが本来あるべき姿なのではないでしょうか。
『コール オブ デューティー ブラックオプス』はXbox 360、PS3にて字幕版が11月18日、吹き替え版が12月16日発売です。
Brian Crecente(原文/上原理)

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