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コラム:任天堂がアップルを脅威に感じているのは間違いない
任天堂最大の敵はカジュアルゲーム?
スマートフォンやタブレット、はたまたブラウザ上で手軽に遊べるカジュアルゲームの勢いはとどまるところを知らず。大手カジュアルゲームメーカー社長による、新型携帯ゲーム機へのDOA宣言なども記憶に新しいところですが、どうやら任天堂はそういったカジュアルゲームの存在を脅威と感じているのだそうです。
任天堂のトップから見たカジュアルゲームとは、そしてゲームの本来あるべき姿とは?米Kotakuトティーロ記者によるコラムをどうぞ。
アップル、iPhone、iTunes、これらは任天堂のトップが可能な限り口にしない単語。どうやらその理由はゲームの「価値」にまつわる彼らの苦悩にありそうです。(彼らは「価格」より「価値」という表現を好みます)悩みの種はアップルだけではありません。
その対象はいわゆるカジュアルゲーム。FacebookやAndroid、その他もろもろの、DSカートリッジに30ドル、Wiiソフトに50ドルというお金を払わずに、手軽にゲームを楽しむことができる環境すべてです。
任天堂が危惧するのは、人々のゲームに対する価値観の変化。いわば、より多くのユーザーが手軽で安いカジュアルゲームに流れてしまうのではないか、ということを不安視しているのです。ひょっとすると、中にはマリオ並みのクオリティーを持つ作品もあるかもしれないわけですから。
岩田社長の主張
任天堂の岩田聡社長は、先週行われたゲームデベロッパーズカンファレンス2011(GDC)にて、何千人ものゲームクリエイター達を聴衆に迎えこう語りました。
ゲーム業界はある方向に分化しつつあり、それはゲームを生み出すことで生計を立てている我々の雇用を脅かすことになるだろうと感じています。
任天堂(そしてソニーやマイクロソフト)はソフトを売るためにハードを作るのに対して、近年目覚ましい成長を遂げている企業は、まずハードを売り、ソフトは無料もしくは低価格で提供している、それが岩田社長が主張するゲーム業界の分化です。
彼らにとってゲームの「価値」なんてものはどうでもいい事なのです。
岩田社長がこの演説を行ったのはサンフランシスコのモスコーニセンター。そこからハワード通りを挟んだ先では、奇しくもスティーブ・ジョブス氏がiPad2のプレゼンを行い、大勢のメディアの注目を集めている真っ最中。
岩田社長の言葉が何を意味しているのか、誰の目にも明らかでした。
レジー社長へのインタビュー
米任天堂のレジー・フィサメィ社長から念押しがあったように、今回の任天堂の演説をあまり深読みしすぎるのはよくありません。もしアップルが任天堂を招いて対抗スピーチでもしていたら話は別でしたが。
とはいえ任天堂がFacebook、並びにジョブス氏が高々と掲げているようなハードで提供されるカジュアルゲームの存在に異を唱えているのは確か。岩田社長の演説後に行われたインタビューにて、レジー社長は「任天堂が批判しているのはiTunesのことか?」という筆者の質問にこう答えました。
私はある特定の企業やアプリケーションストアを名指しで批判するようなことは致しません。
ただし、コンテンツが無料で提供されてしまうことは「価値」の低下を招いてしまいますし、さらにコンテンツの無料化に対する消費者の過剰な期待を招きかねないと言えるのではないでしょうか。
ゲーム業界の中心はカジュアルゲームへ
『脳を鍛える大人のDSトレーニング』や『nintendogs』、それに『Wii Sports』といったタイトルが市場を席巻したのはそう昔のことではありません。それらは任天堂による任天堂機種のためのゲームであり、当時メディアの注目を一身に集めていたのは任天堂であったはず。
しかし今やゲーム業界で脚光を浴びているのはiTunesやFacebook。人々がこぞって『FarmVille』や『Doodle Jump』をプレイする場に任天堂のロゴは見当たりません。それに対して任天堂は一意見あるようで、彼らが全く関知してこなかったこの新しい市場が彼らにとって障害となっていると言うのです。
1年前にレジー社長は米Kotakuのインタビューに対して、iPadなど任天堂の相手にはならない、と語ったことがありました。あれからiPadへ対する評価がどれだけ変化したのか推し量ることは困難ですが、その当時はEAによるiPad用『Dead Space』スピンオフ作品や、韓国で大人気のカートレースゲームのiPhone版などはまだ発売されておらず、状況が今とは全然違いましたからね。
任天堂がこのような危機感を抱くのは何も今回が初めてではありません。記憶に新しいものだと、ニンテンドーゲームキューブのPlayStation 2に対する苦戦が挙げられます。
当時岩田社長は、日本のゲーム業界の不調はいずれ北米にも及ぶ、だからこそ大きな変化が求められている、との懸念を表明していました。その彼の考えが利己的であったかどうかはさておき、ゲームハードウェアに大きな変化が求められている、との予言は見事的中、Wiiはゲーム史上類を見ないほどの大ヒットを記録したのです。
任天堂にとってカジュアルゲームとは
岩田社長の演説に向かう前、筆者がハワード通りで耳にした噂は、どうやら任天堂はアップルやFacebookの存在を脅威に感じているらしい、というものでした。その出所はGDCの期間中に通りを行き交っていた多くのレポーターやゲームデベロッパー達です。
任天堂のカジュアルゲームに対する考えは以下のようなもの。無料や低価格のゲームは売り方が難しく、利益も少ないためゲームデベロッパーにとって重荷となる。デベロッパーに負担がかかればゲーム開発が停滞し、結果として作品がゲーマーの元に届かなくなる。
しかしそれはもしかして、自社の顧客がより低価格のゲームを求めて他企業へ流れてしまうかもしれない、という現状が気に入らないというだけなのでは? それがどうしてゲーム業界にとっての障害だと言えるのでしょうか? レジー社長にズバリ尋ねてみました。
多くのデベロッパーからそのような意見を頂いてきたのは確かです。
我々はコンテンツの「価値」を適切なレベルに保たなければならないのです。さもなくば、それらは誰にも見向きをされず、我々がそのために投資している時間、お金、労力が無駄になってしまうのです。
ゲームの「価値」とは?
レジー社長や岩田社長の中でも例外というものがあり、全てのカジュアルゲームを否定しているわけではありませんでした。例えばどちらも『Angry Birds』を絶賛し、岩田社長は『グランド・セフト・オート』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、『テトリス』、『ゼルダの伝説』と並び、『Angry Birds』を「プレイ必須」作品の1つだと述べていました。
注目すべきは、その99セントで販売されている『Angry Birds』についてレジー社長が主張した、「安すぎる」という意見。高い「価値」を持つゲームの「価格」は1ドルから50ドルまで様々ではあるが、としながらこう語りました。
大事なのはコンテンツの「価値」を高く保つことです。
そしてそのコンテンツを生み出す企業として、我々はその水準を高く保ち、「価値」の低下が起こらないように常に注意していく必要があるのです。
そう聞くとやはり、任天堂にとってiTunes等といった存在は障害でしかないでしょうし、低価格のカジュアルゲームが市場に溢れることはどうしても避けたいのでしょう。しかし任天堂は自社製品であるWiiにおいても、多くのデベロッパーから発売された低クオリティーのカジュアルゲームの氾濫に手を焼いていたのでは?
任天堂は自社のプラットフォームにおいて、コンテンツを制限するような立場にはないのです。
今や任天堂のロゴが高クオリティーを意味するものではなくなってしまった、という話題に話が及んだ時、レジー社長は法的な問題によって任天堂には制限をする権限が無くなってしまったのだ、ということを示唆しつつこう述べました。
しかし筆者にはそれほど単純な話にはどうも思えません。なぜなら任天堂は自社プラットフォームにコンテンツを提供するデベロッパーを選んでいるわけですし、成年向けの作品は許可していませんよね。ともかくレジー社長が強調したのは、任天堂としてはベストな作品が自社プラットフォームに提供されることを望んでいる、という点でした。
少なくともここから読み取れるのは、無料や低価格のカジュアルゲームが遊べる機器を販売する企業の存在が任天堂は気に入らない、ということ。
「価格」の問題ではない
このような任天堂の訴えから教訓とすべきものは何なのでしょうか?
ゲームクリエイターにとって、自分の作品がiTunesであまりにも安く売られてしまえば利益の回収が難しくなるわけですから、確かに任天堂の考え方には一理あると言えます。しかし現在のWiiやDSにおける販売戦略が、優れたクリエイターに利益を還元し続けるためにベストな方法なのか、という点は不明瞭なまま。
今月末には北米でもニンテンドー3DSがローンチされますが、そのソフトの価格はおよそ40ドルほど。とはいえ何も任天堂は無料のゲーム自体を否定しているわけではないのです。任天堂だって『写真で格闘!フォトファイターX』というDSiウェアを北米で無料配布したことがありました。
レジー社長はその点についてこう語りました。
ユーザーが一度このゲームを手に取り体験してしまえば、口コミなどで評判が広まり、結果としてより多くのユーザーを惹き付けることになるだろう、との確信があったのです。
その戦略は上手くいきました。無料配布期間の前と後では、売れた本数に多きな差がついたんです。コンテンツそれぞれを見極め、それぞれに合った戦略を取ることがユーザーを満足させ、そしてコンテンツの「価値」を保ち続けることに繋がるのです。
1つの結論として、任天堂が否定しているのは無料のゲーム自体ではなく、Facebookやアップルが支配する世界でゲームを取り巻いているシステムだと言えるのではないでしょうか。
以上がトティーロ記者によるコラム記事です。米Kotakuのコメント欄も盛り上がっており、賛否両論様々な意見が寄せられていました。代表的なものをいくつかピックアップしてみたいと思います。
BoomingEchoes:高級ワインと安物ワインの違いと一緒だよ。
安物ワインを買う人間は手軽に酔いたいだけ。対して高級ワインを買う人間は、味に加えて雰囲気とかステータスを一緒に求めているわけ。
そもそも市場が違うんだから心配する必要は無い。ただし高級ワインの中身が安物だと大変なことになるので、そこだけ注意!
philippemorin123:任天堂がクオリティーの高い作品を出し続ける限り、ソフトに50ドル払うのを躊躇する人間は出てこないよ。
aaronarmstrong13:そもそも最近の任天堂はミニゲーム集みたいな作品ばっかりなのが問題なんじゃないの?まともな作品に集中すればこんな心配する必要ないのに...
Kotaku Japan読者の皆さんはどうお考えでしょうか? どしどしコメントをお寄せください。
There's No Doubt Anymore. Apple Has Spooked Nintendo [Kotaku]
(上原理)

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もうミクでいいよ。...



















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