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『ギアーズ・オブ・ウォー3』レビュー:完結編の名に恥じないシリーズ最高傑作
シリーズファンの皆様ご安心を。
お待たせいたしました、大人気SFアクションシリーズ最新作『ギアーズ・オブ・ウォー3』のレビュー記事が届きました。ストーリーやゲームテンポ、操作などについて多少の辛口成分が効いているものの、全体的にはかなりの高評価となっているようです。
それでは米Kotakuによるレビュー記事をどうぞ。シリーズファンは必見です!
思えば、本シリーズには印象的なシーンが数多くありました。バシッと決まるリロード、COG兵の巨大なブーツが地面を踏みしめる音、銃口から盛大に吹き出す火花、敵に挟まれた絶対絶命の状況、唸りをあげるチェーンソー。
これらのどれを取っても、『ギアーズ・オブ・ウォー』というシリーズを象徴するにふさわしいと言えます。それはシリーズ新作『ギアーズ・オブ・ウォー3』(以下GOW3)にとっても同様。しかしシンボリックな部分から目を離してみれば、本作が単に無骨で野心的な、男臭いゲームだということは一目瞭然。
『GOW3』はXbox 360独占で展開されてきたエピック・ゲームズによる人気シリーズ、ギアーズ・オブ・ウォー3部作の完結編であるとされています。舞台は地球とよく似た環境を持つ惑星セラ。人類は長年の間、ローカストと呼ばれる重武装の地底人による一方的な侵略の脅威にさらされてきました。プレイヤーが操作するのはマーカス・フェニックス、統一連合政府(COG)の兵士。COG兵はギアーズと呼ばれ、タイトルの由来ともなっています。フェニックスが率いるのは、個性豊かなメンツが揃ったデルタ部隊。COGのエリート部隊である彼らは、前2作に渡って、ローカストを撃退し人類を守るために死闘を繰り広げてきました。
第1作が発売された2006年から5年が経ち、本作『GOW3』をもってシリーズが完結することになります。否応にも期待が高まる本作ですが、首を長くして待ち続けたシリーズファンの皆様ご安心を。本作はシリーズ最高の出来となっています。
それもそのはず、本作の開発を手がけたエピック・ゲームズのデザインディレクターであるクリフ・ブレジンスキー氏と言えば、卓越したセンスによる「ツボを押さえた」ゲーム体験が売り。その彼のデザイン哲学による洗練されたゲーム体験があってこそ、『GOW3』のクオリティーが保証されるのです。ブレジンスキー氏はこう語ります。
「ゲームを作るというのは、とても楽しい作業です。しかし肝心の作品のクオリティーが低ければ、プレイヤーに苦痛を与えてしまうだけ。その点にしっかり気を遣うことで、自身を持って作品を世に送り出すことが出来るんです。」
カバーアクションの完成度は見事だが、いまだ操作に若干の不満も
本シリーズにおいて、敵に突撃するというのは自殺行為に他なりません。それだけにカバーアクションが重要な要素となってきたわけですが、本作では長年の微調整の結果、見事に洗練されたシステムを手に入れています。カバーに入るだけでなく、離れる動作もなめらかで、ほとんどストレスを感じることはありません。カバーからの射撃にも多少のエイムアシストが加えられたことで、(大抵の場合は)混沌に陥ることなく、骨太なゲーム性を思い切り楽しめるようになっています。
シリーズ特有の重厚さは全編に渡って感じられますが、それが良い方にも悪い方にも働いてしまっているのは確か。戦闘面はシリーズ最高の出来と言えますが、移動やインタラクションはまだまだモッサリ感が残っています。『バイオショック』、『アンチャーテッド』、『マスエフェクト』といった作品からの影響を感じる場面もありますが、結局ギアーズはどこまで行ってもギアーズなのだな、という感覚を裏付けるに留まることとなりました。
そして時に、本作の操作は「象にタップダンスをさせるようなもの」だと感じられることがあります。例えば本作の終盤なのですが、時間制限のある中、ローディーランを駆使して階段を上がり、いくつもの角を曲がりつつビルからの脱出を目指す、という場面がありました。
ローディーランといえばシリーズを代表するムーブですが、そもそもこれは短い距離をダッシュするもので、基本的にカバーからカバーへの移動に使用するもの。発動時間は短く、細かな操作は効きません。単純に「走る」操作が無いからといってローディーランを代用しては、プレイヤーにフラストレーションを感じさせるだけです。結局このシーンがトライ&エラーの繰り返しに陥ってしまっているだけに、ここは全てカットすべきだったのでは。
このような場面が本作の特殊な操作性をよく表しているとはいえ、幸運なことにゲーム内で出会うのはごく僅か。本作の大部分はカバーアクションを基本とした、見事に創意工夫された緊張感あふれる戦場の数々となっていますよ。
ゲームプレイ部分とは対称に、衰えてしまったストーリー
『GOW3』は前作から数年後のストーリーが描かれます。前作のラストにて、追いつめられた人類はローカストの地下都市をイニュルシオンと呼ばれる毒液で水没させ、壊滅的な環境破壊を引き起こすことに成功しますが、同時にそれはイニュルシオンに感染したゾンビローカスト、すなわちランベントという新たな脅威を招いてしまいます。本作において人類は難民として放浪生活を余儀なくされ、デルタ部隊は空母上に建設された空中都市に配備されています。
とんでもなく複雑でディープ、かつコミカルに展開し始めた『ヘイロー』シリーズに対し、本シリーズのストーリーは基本的に同じようなテンションで展開し続けています。無駄を削ぎ落とし簡潔に語られた第1作のストーリーは、緊張感を与えるとともに、プレイヤーに想像の余地を十分に持たせた、という点で今だにシリーズのベスト作品と言えるでしょう。しかし、シリーズのストーリーが展開していくうちに、段々と興味を無くしていくのは不思議なものです。何年もかけてシステムを洗練させていく一方、ストーリーテリングの能力は衰えていく、これを「ゲームのパラドックス」とでも呼びましょうか。
ゲームというのは、シリーズを追うごとにゲーム体験が洗練されていくもの。(お気に入りのゲームを思い浮かべてみてください)しかし、シリーズが進むなかで脚本家が奮闘した結果、大抵のストーリーはつまらなくなります。(お気に入りの映画を思い浮かべてみてください)これは『GOW3』も例外ではなく、ゲームプレイ部分が目を見張る向上を見せてきた一方、ストーリーテリング面では苦戦に陥ってしまいました。
もちろん本作のストーリーが我慢ならない程の出来だと言うわけではありません。マーカスとドム、2人のリードキャラクターには自分でも驚くほど惹かれましたし、荒々しくも熱い2人の友情にはシリーズファンの記憶に深く刻まれることうけあいです。
しかしこうした良い点も、『GOW3』のストーリーがありきたりな域を超えられなかったという事実をカバーするには至っていません。リードライターのカレン・トラビスさんは、デルタ部隊が戦場から戦場へと突き進む様を上手く描いてはいるものの、動機や裏付けといった部分が半端なままに残されてしまっています。
さらに、本シリーズが目指してきたのはシリアスで、感情を揺さぶるような作品ですが、それも未だ十分に味わうことが出来ていません。トレイラーではムード溢れる音楽や無音の銃撃戦でプレイヤーの期待を煽るものの、実際のプレイでそれほど心揺さぶられることはありませんでした。そのようなカタルシスを得るには、シリーズを通してキャラクターの描写が不足しているのです。
マーカスとその父の関係は結局納得のいく説明が得られぬまま。第1作における伏線は何だったのでしょう。「出現の日」以前の惑星セラは一体どのような様子だったのか? そもそもどうして人類を、この世界を救わなくてはならないのか? 「目の前の敵を倒せ、余計なことは考えるな」といったクラシックゲームにおけるストーリーテリング不足と通じるものが感じられました。
本作の序盤にて悲惨な夢を見せたり、テンポの良く新キャラクターを登場させるなど期待の持てる展開を見せていただけに、非常に残念。どちらも興味深く、ストーリーに新鮮さを吹き込むことに成功していたのですが、第1章直後にバッサリ流れが裁ち切られた後は、ほとんどサプライズのないリニアな展開となっていました。
銃撃戦のテンポはさすがだが、キャンペーン全体の流れは少々残念
基本的に、『GOW3』のキャンペーンの大部分はシリーズの醍醐味である銃撃戦に費やされます。アドレナリン出まくりの銃撃戦が展開していく様はプレイしていて非常に楽しいもの。それぞれの戦闘は細心の注意をもってペース配分がなされており、戦場を渡り歩く中でスムーズに敵に遭遇していく流れは驚異的とも言えます。
傍からキャンペーンを眺めている分には幾分控えめに感じられるかもしれませんが、実際にプレイしてみると印象はガラリと変わります。次の部屋に突入し、カバーを取り、敵の死体を積み重ねながら道を切り拓いていくアクションにはついつい夢中になってしまいます。
しかし銃撃戦自体は賞賛に値する出来ですが、キャンペーン全体のペース配分となると話は別。乗り物を操作するシーン、そしてボスバトルではゲームのリズムが間延びしてしまっている印象を受けました。おそらく銃撃戦の間にちょっとしたテンポの変化を設けようとデザインされたのでしょうが、本来のゲーム性から大きく逸脱してしまっているため、逆にその限界を露見させてしまう結果となっています。
ある1つを除き、ボス戦は冗長なものでした。例えば巨大なブルマックとの戦闘では、敵は戦場の端に静止したまま時折ロケットを撃ってくるだけ。こちらは電車をカバーに敵のヘルスが尽きるまで反撃を加えるだけで倒せてしまいました。乗り物のシーンも似たようなもの。トラックの荷台に乗ってリーバーの追跡を振り切るシーンはなかなか楽しめましたが、終盤の潜水艦ミッションで(あるいは意図的に)ドン底に叩き付けられることに。ストーリーは急停止、プレイヤーは精確性に欠ける砲台を使って、15分もの間魚雷を撃ち落とし続ける作業を求められることになります。

チームメイトが増えたこともあり、難易度は低下
難易度の観点から見れば、『GOW3』はシリーズで最も間口の広い作品となっています。前2作で見られた様な鬼畜の難易度は鳴りをひそめた上、主人公が倒れた際に回復してくれるチームメイトが2人増えたことでよりその傾向が強くなっている印象。事実、特に本シリーズを得意としない筆者でも「ハードコア」モードをすんなりクリア出来ましたし、むしろもう少し難易度を上げてもいけそうな気がしたぐらいです。
チームメイトについてもう少し。シリーズ過去作品と違い、本作ではキャンペーン全てを4人のプレイヤーによるco-opモードでプレイすることが可能。つまり、シングルプレイヤーにおいても常に3人のチームメイトによるサポートを得られるということ。常に大人数の編成となるために緊迫感は薄れてしまい、『GOW3』では第1作のような強烈なサバイバルホラー感覚は得られなくなっていますが。
チーム編成は随時入れ替わるために毎回新鮮さが味わえ、新キャラクターも多数登場します。お馴染みのベアード、コール、ディジー、ドムがキャンペーンの大部分で同行するとともに、新顔であるジェイス、サム(サマンサ)、アーニャが本作に新鮮な空気を呼び込んでいます。
本シリーズで女性キャラクターが戦う姿を見られるというのは嬉しい驚きでした。『ドラゴンエイジ:オリジンズ』、『アンチャーテッド』で声優を務めたクラウディア・ブラックさんが皮肉たっぷりにサムを演じ、ナン・マクナマラさんはチェーンソーを振り回す諜報部員、アーニャ・ストラウドを演じています。どちらのキャラクターもよく描けており、そして力強く、女性特有のアレコレに悩まされることは(ほとんど)ありません。ベアードがサムに軽口を叩けばサムは負けじと応酬しますし、アーニャは筆者が最も信頼を置くチームメイト、どんなに絶望的な状況においてもチェーンソーを振り回して大暴れ、部隊を引っ張ってくれます。
あるいは幼少の頃に筆者が妹と共に外を走り回っていた思い出が影響しているのかもしれませんが、女性兵士と肩を並べて戦闘に明け暮れる、という本作のゲーム体験には何か特別なものが感じられました。筆者の個人的な思いはさておき、世界中の女性ファンの皆様にとっては、とうとうスクリーンに自分達の分身と呼べるキャラクターが登場することになりますね。
とにかく幅広いマルチプレイ、ホードモードは相変わらず最高!
「死ぬまで一緒だ(Brothers to the end)」という本作のキャッチフレーズは、シンプルながら多くのことを示唆しています。同じ場所で行動し、互いを助け合い、勝利も敗北も共にし、窮地を救い合う、そんな戦友たちのこと。ドラマチックなキャンペーンを表す言葉なのか? いいえ違います。筆者の知る限り、「死ぬまで一緒だ」という言葉は、脚本が存在するキャンペーンではなく、本作で最も高い完成度を誇るマルチプレイヤーのために存在する言葉です。
とにかく本作のマルチプレイヤーは数多くの種類が用意されています。言葉を失う程の幅広さがあり、尚かつそれぞれが連携していて、フレンドがいれば楽しさも倍増するでしょう。
手始めとしては、キャンペーン全てを最大4人で楽しむことが出来るco-opマルチプレイ。「アーケードモード(Arcade Mode)」ではそれぞれのステージでハイスコアを競うことができ、難易度を上げてみたり(経験値ボーナスあり)、逆に「デカ頭モード(Mutator)」で難易度を下げ、お遊び要素(デカ頭が行動すると歓声が起きる)も追加してみたりと、色々なオプションも用意されています。プレイヤーに繰り返しキャンペーンをプレイさせるだけの魅力を感じるシステムです。ただし潜水艦ステージだけはスキップすることをおすすめしますが。
新要素である「ビーストモード(Beast Mode)」はいわばローカスト版ホードモードであり、AI操作の人間兵士を相手に銃弾と死の雨を降らせることになります。本作で登場する全てのローカストキャラクターが操作可能で、ティッカーといった小さなものからベルセルクのように巨大なキャラクターまでもを駆使して大暴れすることが出来ます。
もちろん本作には対戦マルチプレイヤーも健在。「ウォーゾーン」、「ガーディアン」、「キング・オブ・ザ・ヒル」など、従来の対戦モードが全て用意されています。しかし、筆者個人的には本シリーズの対戦モードはあまり好きになれません。カバーアクションを駆使した戦術は役に立たず、近接戦闘やショットガンが猛威をふるっているために、ギアーズ・オブ・ウォーらしさが感じられないからです。エピック・ゲームズが細心の注意を持って構築してきた戦闘システムは、対戦モードにおいては全く別のシステムに置き換えられており、『GOW3』でも刷新されたシステムが用意されています。対戦モードを好むプレイヤーにとっては嬉しいニュースでしょうが、やはり筆者の食指が動くことはありませんでした。
ここまでに紹介したマルチプレイヤーモードはどれも魅力的ですが、やはり「ホードモード」に敵うものはないでしょう。そもそもホードモードとは、前作で初登場し、予期せぬヒットとなった最大5人のプレイヤーによるco-opモード。チーム全員で強力してローカストによる最高50レベル(滅多にたどり着けません)のウェーブを乗り越えるというものでした。本作にて「ホード 2.0(Horde 2.0)」という名と共に登場する新たなホードモードは、コアのゲーム性を残しつつ改良が加えられ、見事に洗練された出来となっています。
「ホード 2.0」は従来のホードモードに、ちょっとしたタワーディフェンスの要素を加えたもの。プレイヤーは拠点を設置して守りを固め、敵を倒すことで得られる資金を使いウェーブの合間にバリケードを修復、アップグレードしたり、ガンタレットの設置、新たな武器、弾薬を購入することでより高レベルを目指していきます。10レベルごとにやってくるのが「ボスレベル」、グラインダー、ベルセルク、武装したショック・トゥルーパー、ロケットを乱射してくるリーバーなどの強敵に立ち向かわねばなりません。
近年の様々なマルチプレイヤーゲームの例にもれず、本作の様々なゲームモードは全てがリンクしています。キャンペーンだろうと、co-op、もしくは対戦モードだろうと、それらで得た経験値は全てマスタープロフィールに集約されるのです。正直言って、筆者自身はレベルやアンロック要素などでプレイヤーを作品に繋ぎ止めるような手法はあまり好きではありません。永続的なレベル分けやリーダーボード、課金アイテムなどを採用する作品が増えるたび、プレイヤーがあたかも搾取されているような感覚になってしまいます。
開発元の狙いはどうあれ、これらのシステムは成長とチャレンジの絶妙な配合によって中毒性の高いものとなっていますし、真のチームプレイによって得られる経験には格別なものがあります。筆者自身、フレンドと共にランベントベルセルクとの死闘を乗り切ったときには、ここ何年も感じたことのないような心の底から沸き上がる歓喜と友情を噛み締めたものです。これぞまさに「死ぬまで一緒だ」ですよね。
総評
驚く程に洗練されたゲームシステム、デザイン、そしてアラが垣間見えるものの、上手くまとまったキャンペーン。特筆すべきは、これまでに目にしたことがない程のバラエティーと完成度を誇るマルチプレイヤー。シリーズも最高潮に達したところですが、残念ながらそのストーリー展開、テーマ、キャラクター描写は狙いとは違う方向へ逸れてしまいました。
しかしギアーズ・オブ・ウォーらしさとはそもそも、泥の中、セメントが飛び散る銃弾の嵐の中、敵の咆哮が響き渡る中でフレンドと背中合わせで耐え抜くような状況にこそ表れるもの。その点を考慮すれば、すなわち『GOW3』はシリーズ最終作の名に恥じない出来を手に入れたと断言できるのです。
Gears of War 3: The Kotaku Review [Kotaku]
(上原理)

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>Xbox 360独占で展開されてきた
1はPC版もありますよ。
>時間制限のある中、ローディーランを駆使して階段を上がり、いくつもの角を曲がりつつビルからの脱出を目指す
このカットに対してですが、初回プレイでも道を間違えたため1度足を止めるだけで走破出来ましたよ。
カーブを含め道幅が広く作られているため、恐らく止まらずに最後まで行けるでしょう。
あと、ローディーランに距離制限は有りません。
>前作のラストにて、追いつめられた人類はローカストの地下都市をイニュルシオンと呼ばれる毒液で水没させ、壊滅的な環境破壊を引き起こすことに成功します
誤りです。地上都市ごと水没させただけです。イミュリシオンは貴重な資源でそこまで用意出来ないでしょうね。