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『アサシン クリード リベレーション』レビュー:続編としての評価はどうあれ、プレイグラウンドとしてはシリーズ最高

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読者の皆さんが本作に期待するものは何でしょうか?

日本では12月1日発売の『アサシン クリード リベレーション』のレビューが届きました。『アサシン クリードII』より1年ごとに発売されてきたエツィオ三部作の最終章となる本作ですが、単純に良し悪しを判断することは困難なタイトルとなっているようです。

ストーリーが残念な出来となった一方、グラフィックは美麗なものに、そしてゲームプレイはシリーズ最高と言える仕上がりを手に入れているのですが、全体的な評価はプレイヤーが本作に期待するものによって大きく変わってしまう、とのこと。

それでは米Kotakuによるレビューをどうぞ。
 

 


 
突然ですが、あなたはゲームに何を求めますか? ゲームに期待するもの、そして求めないものとは何でしょう?

そしてもう1つ、もしその作品が続編だとしたら答えは変わるでしょうか?

『アサシン クリード リベレーション』(以下リベレーション)は2007年11月に初登場した『アサシンクリード』シリーズの4作目。あるいは2010年発売の『バイオショック2』以降に発売されたゲームの中で、最もファンに望まれていない続編タイトル、という言い方もできるかもしれません。

『バイオショック2』が企業によるゴリ押し感を漂わせていたように、『リベレーション』もパッと見はクリエイターの欲求ではなく、企業幹部の要求により制作された続編のようにも見受けられます。事実、『バイオショック』のトッププロデューサーであるケン・レヴィン氏が2作目には関わらなかったように、『アサシンクリード』シリーズのトッププロデューサーであるジェイド・レイモンドさんは前作『ブラザーフッド』と本作の制作には関与していません。

また本作は『バイオショック2』と同様に、あまりにも早く発売されたことで独自性を出すことに苦労しており、シリーズにおいて特別な存在とはならないかもしれません。

しかし、おそらくプレイしていて一番楽しいのは本作。新要素も数多く用意されており、ボリュームたっぷりとなっています。

ここで活きてくるのが冒頭に投げかけた質問。『リベレーション』の評価は、プレイヤーがシリーズの続編である本作に何を望むのかで変わってくるのです。

 
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「答え」としては不満が残る

キャンペーンの出来に関しては何とも評価の付けがたいところ。本作は15世紀終わりから16世紀初頭にかけて活躍したイタリア人アサシン、エツィオ・アウディトーレの半生を描く三部作の最終章、いわば「答え」(Revelation)となる作品であるとされています。しかし三部作とはいっても、初代『アサシンクリード』からではなく、あくまで『アサシン クリードII』から1年おきに発売されてきたもの。この事実が、本作の制作の動機がお金ではないのかと疑われる根拠の1つともなってしまっています。

プレイヤーが主に操作するのはエツィオ、16世紀のコンスタンティノープルを舞台
数々のミッションに臨みます。またフラッシュバックシーンでは初代作の主人公アルタイル、加えてその2人の子孫であり、修行中のアサシンである2012年のデズモンド・マイルズを操作することになります。シリーズにおいては、デズモンドのメモリーから読み出されたアルタイルとエツィオの活躍が描かれてきました。

「答え」となる作品という点においては、不満足です。筆者のプレイ時間は19時間、コンプリート率は80%となっていますが、『ブラザーフッド』のラストについては未だ満足いく説明が得られぬまま。エツィオの運命(これはちょうど公開されたアニメ短編映画によって明かされます)についても不明。ただしデズモンドとアルタイルに関しては良く描けており、特にアルタイル編のストーリーテリングには感動を覚えました。

本当に全ての「答え」が明らかとなるのは、「Assassin's Creed: Encyclopedia(アサシンクリード大百科)」という本。ユービーアイソフトより最近発売されたこちらでは、2007年より続くシリーズの様々な謎、疑問が網羅されています。シリーズの全てを知りたいファンにとっては、本作よりこちらの方が親切だと言えます。

 
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コアとなるゲームデザインは変わらず

ここでも続編の善し悪しの基準が争点となります。

『リベレーション』は言うなれば、あまりに早すぎた続編。エツィオ・トリロジーはゲームとしてあまりにも似通いすぎています。コアとなるゲームデザインは刷新されていない、という点では批判も致し方ありません

ただし、たった1年という開発期間でこれほど変わらず楽しめる作品を作り上げた、という点を考慮すると、また評価は変わるのかもしれません。ゲーム業界をを見渡しても、一年でこれほど作り込まれた作品を制作できるクリエイターは見当たりません。その点を考慮すれば、『リベレーション』は栄誉ある、驚嘆すべき作品だとも言えるのです。

 
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コンスタンティノープルは壮観の一言

コンスタンティノープルの景観は、前2作品で描かれたイタリアの景色とは全く別物。通り沿いで売られているスパイスの鮮烈な色、市場にたなびくラグ、市民が着用する鮮烈なローブ、日暮れには荘厳なオレンジ色に輝く大空。オスマン帝国の大都市である本作の舞台には様々な色が溢れており、本作の場面の1つ1つがまるで名画のような印象を放ちます。街を駆け抜けるアサシンを立ち止まらせるものがあるとすれば、本作のアートワークであるに違いありません。

 
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アイデア満載のゲームプレイ、中でも「ボムクラフト」は秀逸

本作のゲームプレイにはアイデアが満載。そのほとんどはシリーズに受け継がれているもので、フリーランニング、戦闘スタイル、武器類、そしてアサシン教団の仲間を呼び出すシステムはそのまま。そこに本作で追加されたものの1つが、「フックブレード」。戦闘相手からのスリや、投げ技、そして行く手を阻む敵をかわす等、様々な利用法があります。

そして本作における最も革新的かつ楽しい要素が「ボムクラフト」、プレイヤーがカスタマイズ出来る爆弾です。シェルタイプ、火薬タイプ、詰め物はそれぞれ数種類が用意されており、例えば詰め物でいうと煙幕、毒、血のり、そして金貨なんてものまで選択することが可能です。その幅広いカスタマイズ性はプレイヤーの探究心を刺激すること間違いなし。

爆弾の一例として、投げてから3秒後に広範囲に広がる煙幕弾。敵をまとめて始末するのにピッタリです。また、まきびし爆弾は追っ手をまくのに最適ですし、設置から5秒後に毒ガスを発するくっつき爆弾、市民を集めるための金貨爆弾もかなり使えます。

この「ボムクラフト」ですが、ともすれば闇にまぎれる暗殺者のはずであったエツィオがド派手なアクションヒーローにでもなったかのような印象を初見では受けてしまうかもしれません。しかしそれは全くの誤解。このシステムを身につけたプレイヤーであれば、これが次世代のゲームプレイシステムとでも表現すべき存在だという事が分かるはずです。

 
プレイヤーに用意された選択肢の幅は「次世代」を感じさせる

そもそも「次世代のゲームプレイ」とは何なのか? 真っ先に挙げられるのは現行機であるXbox360、PS3を超えたグラフィックでしょうが、それはまた別のお話。本作の「ボムクラフト」はその答えの1つです。

現世代のゲームにおいて、プレイヤーの目的に対する解決方法が本作ほど幅広く用意されている作品はありません。これはおそらく1年置きという早いペースで開発されてきた本シリーズだからこそ可能になったゲームプレイ。コアとなるシステムをそのまま残し、アイデアの拡張、磨き上げを積み重ねてきた賜物と言えるのではないでしょうか。

『リベレーション』のゲームプレイの素晴らしさは、同シーズンに発売された『アンチャーテッド 3』、『モダン・ウォーフェア 3』といった直線的な展開の作品と比べれば一目瞭然です。クリエイターが要求した通りのアクションが求められる『アンチャーテッド 3』とは特に違い、本作では行動の選択はプレイヤーに全て委ねられています。このピュアなゲーム体験こそが本作の偉業であり、今年発売されたゲームの中でも最も楽しい作品の1つである理由なのです。

 
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中毒性のある領地システム

本作の領地システムは画期的で中毒性がありますが、決して万人向きとは言えません。

本作では人目につく場所での守衛の殺害と同様、店舗の再建によってもエツィオの悪い噂が広まります。メーターが最大に達するとテンプル騎士はアグレッシブに追跡してくるようになり、先触れへの賄賂や役人の殺害によって悪い噂を下げなければ、テンプル騎士はエツィオの支配地域への攻撃を開始します。領地は地域の隊長を排除することで獲得出来るのですが、その領地を守るためのタワーディフェンスモードがなかなかやっかいなシステムとなっています。

領地を安全な体制にするにはレベル15のマスターアサシンを配置する必要があります。まずは市民をリクルートし、地中海沿岸へのミッション派遣、戦闘への呼び出しによってレベルを上げ、そしてトレーニングミッションを2つ経験させることでようやく必要なレベルへ達することができます。また、いくつかのトレーニングにはお金がかかりますし、そのお金は別のところで稼がなければなりません。

シリーズの集大成とも言えるこのシステム、一度手を出してしまえば止め時が見つからない中毒性があります。筆者自身メインミッションを放り出して、気づけば6時間の間に6人のマスターアサシンを育て上げてしまいました。しかしその複雑さゆえ、プレイヤーによってはよりシンプルな前作のシステムの方が良かったと思うかもしれません。

 
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些細ながら嬉しい改善点の数々

本作にはミッションに関しても様々な改善点が見られます。シリーズのファンであれば、制裁ミッション、追跡ミッションがランダムエンカウントとでも言うべき存在に変わっている事にすぐ気がつくでしょう。また、突然現れた人物と殴り合いになることもあれば、港で荷物を運ぶ手伝いを依頼されることも。こうした小さなミッションはメニューには登場しません。ストーリーに影響するものではなく、プレイするも無視するも自由。それぞれのプレイヤーが自分のエツィオ像に従って行動すればよいのです。

街の仕組みにも気の効いた改善が用意されています。お馴染みの隠れ場所である井戸には蓋が被せられ、使用するためには悪い噂が広がるリスクを冒して蓋を爆破しなくてはならず、プレイヤーは難しい選択を迫られることになります。なお、手配書システムは廃止となり、悪い噂を抑えるためにはステルスキル、もしくは賄賂が要求されます。手配書システムはアクロバティックな探索の楽しさもあったため、この点は少々残念。

 
ファンの期待を裏切った現代パート

何かをカットするのは必ずしも悪いことではありません。ショップクエストは廃止されましたし、ランドマークの購入も密かに生き残ってはいるものの、今後カットすべきものの1つ。しかし何よりも痛いのがキャラクターの描写不足です。

『リベレーション』ではアルタイル編に力を入れている一方、現代パートは残念なものになっています。かつて酷評された初代作のものから、作品を追うごとに盛り上がりを見せたデズモンドとその周りのキャラクターのドラマは、『ブラザーフッド』にてショッキングなフィナーレを迎え、本作における新展開に期待が高まっていました。しかし本作で仲間達の描写に当てられた時間はたった5分程度、大したストーリー展開や感情の描写は見られません。現代パートに関しては、ファンの期待が見事に裏切られる結果となってしまいました

 
ファンの意見を二分するであろう新要素

驚くべきことに、デズモンド編のほとんどは一人称視点のパズルゲームとなっています。前作ラストに起きたイベントによってデズモンドの自意識が崩壊してしまったため、舞台はいわばデズモンドの意識内の電脳空間。

まず最初に受けたのが、出来の悪い『ポータル』という印象。長方形、もしくは三角形の足場を作りながら進んでいくというパズルなのですが、シリーズにおける他の各要素と同様、第一印象はあまり芳しくありません。しかしコンスタンティノープルで所定のアイテムを集めることで、後のデズモンド編でより難易度の高いパズルがアンロックされることになります。この出来が素晴らしいもので、抽象的なグラフィックにナレーションが重なり、実験的ながら不思議な魅力を感じさせます。

このパズルゲームは本作のようなメジャータイトルにはおよそ似つかわしくないサイドミッションであり、そのアーティスティックな感性はむしろインディーゲーム寄りのものです。賛否はどうあれ、大胆な試みであることは確か。

 
ストーリーに特筆すべき点は無いが、ミッションのクオリティーはさすが

『リベレーション』のストーリーについては特筆すべき点はありません。エツィオはアルタイルの書物庫に入るための5つの鍵を探すためにコンスタンティノープルを訪れ、同時にテンプル騎士団に立ち向かうオスマン帝国のアサシン達の手助けをすることになります。恋の予感もあり。しかしストーリー展開は予想を裏切ることはなく、前2作の心躍るアドベンチャーからは程遠い出来

本作のエツィオは冒険者というよりはむしろ旅行者といった感じで、何とも軽薄な印象を受けてしまいます。それでもやはりメインミッションのクオリティーはさすがで、新たな暗殺手段を織り交ぜたものや、暴動を煽動したり、花を摘んだり、アサシンをトレーニングしたりと、バラエティー豊かで楽しいミッションが勢揃いしています。

過去作品と同様にサイドミッションのクオリティーも高く、作品のハイライトとも言える出来を手に入れているものも見受けられます。マスターアサシンを育てるためのトレーニングミッションがその1つ。エツィオと弟子達との掛け合いや、面白アクシデントがいい味を出しています。例えばとあるミッションでは、弟子が暗殺対象を間違えてしまい、エツィオから大目玉を食らうのですが...続きは後のお楽しみ!

また、「秘密の場所」ミッションが装いも新たに再登場し、見事な出来を見せています。基本的に戦闘は最小限に抑えられ、アクロバットを駆使しながら秘密のエリアを探し出す、というお馴染みのミッションではありますが、中にはメインのプロットに組み込まれているものも。ある1つは巧妙に隠されており、アクセスするためのアイテムを手に入れるためのクエストすら存在します。その場所に辿りついた時の感動は筆者が保証します。

 
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マルチプレイヤーは着実に進化

『リベレーション』にはキャンペーンとマルチプレイヤー、2種類のゲームモードが用意されています。前作『ブラザーフッド』で初登場したマルチプレイヤーは、プレイヤーキャラクター達とそっくりの見た目をしたNPCで混雑したマップの中で、プレイヤー同士が暗殺合戦を繰り広げるというもの。本作ではそのマルチプレイヤーが大きく進化し、この1年間における努力がうかがえます。

本作のマルチプレイヤーでは、経験値によってアンロックされる特殊能力やカスタマイズ要素、そしてフレンドの進捗状況を表示するシステムが追加されるなど、『コール オブ デューティー』風のマルチプレイヤーに仕上げようとする試みが続いています。

コアとなるゲームモードはやはり「ウォンテッド」、個人同士の暗殺合戦を楽しむことが出来ます。本作で追加された「デスマッチ」ではNPCが登場しないので、人の姿を見かけたとしたらそいつがターゲットです。

筆者のお気に入りは「キャッチ・ザ・フラッグ」、いわゆるキーアイテムのキャリアを倒すというゲームモード。暗殺されるまでにフラッグを保持していた時間に応じてポイントが得られるのですが、このモードの面白さは、冷静でいればいるほどポイントを多く貰えるという点。

群衆に紛れてじっとしている間はポイントを多く稼ぐことが出来る上、敵が近くを通るとさらにポイントが追加されます。周囲を警戒しながらNPCの輪に溶け込み、敵を必死でやり過ごすドキドキ感。走り出すのはあくまで最後の手段です。敵に見つかってチェイスが開始されると、全てのプレイヤーにキャリアの位置がバレてしまいます。それでも逃げている間はポイントを得ることが出来ます。このモードが見せる静かなる緊張とハイボルテージなアクションの振り幅は見事です。

 
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総評

大小様々ありますが、以上が『アサシン クリード リベレーション』の特徴となります。結局のところ、続編としての本作の出来はどうなのでしょうか?

ストーリーに関しては改善は見られず、肩すかしを食らった印象。グラフィックやゲームプレイは着実な進化を遂げています。初代『アサシンクリード』から2年を挟んでの『アサシン クリードII』が見せた目覚ましい変化には見劣りするものの、本作の開発期間は1年だという点を念頭に置いて評価すべきでしょう。

プレイヤーに幅広い行動を提供するという点において、本作は2011年に発売されたゲームの中で群を抜いています。前作でもそうだった、という理由で本作を敬遠するのは間違いです。本作はプレイグラウンドとしてはシリーズ最高の出来であり、同時期に発売されて大ヒットした一本道ゲーム達の対極に位置する存在。暗殺あり、強襲あり、仲間の助けあり、そこに自由な選択をさらに加速させる爆弾が加わったことで、シリーズの美しく、ドラマティックでダイナミックなアクションは最高潮を迎えています。

それが本作の出した「答え」です。

 
Assassin's Creed: Revelations: The Kotaku Review [Kotaku]

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またお買いものの連続かと思うと、ちょっと購買意欲が萎えますねぇ・・

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