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[コラム] 「IKEA(イケア)」の店舗レイアウトから学ぶゲームデザイン理論

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デザイン哲学とは思わぬところに共通点が見られるものなのですね。

スウェーデンで生まれ、いまや世界中で展開している雑貨、家具店IKEA(イケア)といえば、やはり低価格ながら機能性に優れた製品の数々が有名。日本でも近年続々と店舗が展開され、盛り上がりを見せています。

オーストラリアの政治ニュースサイトCrikeyにてゲームコラムを執筆しているダニエル・ゴールディングさんによると、そのデザイン哲学は何も製品だけではなく、店舗のデザインにも表れているのだとか。そしてそのデザイン哲学にはゲームデザインが学ぶべきところも数多くあるそうなんです。

これを読めばあなたもイケアを冒険したくなる、そんなコラムをどうぞ。
 

 


 
人々がイケアを訪れる理由とは、通常引っ越しや模様替え、あるいはDIYのため。ビデオゲームを求めて訪れる人はいません。(もしイケアがゲームを手がける事になれば、筆者は真っ先にプレイするでしょうが。)

しかし、スウェーデン的ミニマリズムが息づくイケアには、ゲームデザインにも通じる要素が隠されているのです。

とある日に筆者自身がイケアをぶらつき、大量に家庭用品を買い込んで自宅へ運転して帰る中、筆者の頭の中ではまるでゲームをプレイしているような感覚がありました。それはイケアのデザイン哲学に由来するものであり、その哲学をよく表しているのが、その店舗入り口に掲げられたこの引用コピー。

「知性をデザインする、機能とはデザインの一面なのだから」

ドナルド・ノーマン氏(アメリカの認知科学者)の名著「誰のためのデザイン?」をご存知の方であればピンと来たことでしょう。この本が主張するのは、ごくシンプルなデザイン哲学です。

「物の機能というのは、一目でそれと分かるようにデザインされなくてはならない。

一度でドアを開けることが出来ないのなら、それはあなたではなくドアのデザインが悪いのだ。

トースターの使い方が分からないのなら、それはトースターのせいだ。」

これはゲームにおいても同じ事。ゲームとは本来、機能を売りにした製品であるため、プレイヤーが人目で分かるようなインターフェース、レベルデザイン、オブジェクトデザインであるべきなのです。

(ポップカルチャーを扱うサイトPopMattersにおいてL・B・ジェフリーズ記者がノーマン氏のデザイン哲学、およびそのゲームへの応用についてまとめたコラムは一見の価値あり。米ゲームサイトGamasutraに寄せられた『ポータル』制作者へのインタビュー記事も合わせてどうぞ。)

 
イケアのデザイン哲学とは

真っ先に頭に思い浮かぶものはプロダクトデザインでしょう。ほとんどの場合、イケアの製品はシンプルで、要点を捉えた優れたデザインが施されています。余分な装飾が排除され、機能が一目で分かるユーザーフレンドリーさは、ロッキングチェア、タンス、テーブルなど様々な製品に見てとれます。

でも、それは何も製品だけに限った話ではないのです。

イケアが誇る機能的デザインは店舗そのものにも表れており、それこそがまさにゲームデザインのお手本とも言うべき点。この画像を見て皆さんは何を連想しますか?

 
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筆者にはゲームマップの初期デザインに見えます。

このスペースはある特定の機能、つまり買物客を順路に従って移動させるためにデザインされたもの。デパートやスーパーマーケットの売り場が、お客により多くの商品の前を通過させるように配置されているのと同じ事です。例えばスーパーマーケットにおいては、パンと牛乳の売り場を正反対の位置とする事で、その途中でお客の衝動買いを狙うという悪名高いデザインが一般的。(The New York Timesでジャック・ヒット記者が執筆した有名記事「スーパーマーケット理論」を参照のこと)

しかしそういったレイアウトは、特定の買い物だけをしたいお客にとっては敬遠されがち。そこでイケアが用意したのがショートカット。これによって、マップを持つコアな買物客は目当ての商品にアクセスしやすくなり、マップを持たずにただブラブラしたい買物客には順路が分かりやすいデザインとなったのです。特定の目的を持たない買物客は、絶対に冒頭のショートカットを使うことはありません。彼らは良い商品を見逃すことを恐れる、それをイケアは気づいているのです。

イケアのマップデザインをゲームに置き換えてみてください。プレイヤーが辿るべき道は明確に提示されています。そこでデザイナーの手に自らを委ねれば、リビングルーム、キッチン、バスルームと、主要なイベントが次々と進行していくのです。そのイベントがたとえ敵の待ち伏せ、補給ポイント、会話シーンであっても同じこと。

 
それでは実際にプレイ!

 

 
まず目に飛び込むのは、イケア店内で最もアクセスしやすく、最大の面積が用意されているリビングルーム、そして収納用品のショールーム。ここは言わばチュートリアルステージ。たとえ初めての買物客であっても、この2つのエリアを通り抜けるうちに買物の手順を理解できるようにデザインされています。

各ショールームで気に入るアイテムを探し、階下で購入するという流れは自然と理解されます。同じ商品が複数エリアにまたがって展示されていることはありません。また、キッチンやバスルームエリアに用意されている小物とは違い、大きな製品はカートに直接入れて持って行くわけではない、という事も一目瞭然となっています。

優れたゲームデザインにおいては、作品のコンセプトが冒頭ではっきりと提示されます。そして最終ステージにてそれまでに学んだスキルの集大成が要求されるものであり、直前に新しいスキルが用意されることはありません。

また、そういった作品では同じ行動をひたすら繰り返させられるようなことはなく、時には箸休めが用意されるもの。FPS作品における乗り物ステージが一つの例。もしくは『ポータル』で見られた脱出シーンのように、同じマップを違う角度でプレイする、というのがもっと良い例かもしれません。

イケアにおける文字通り箸休めとなるのが、レストラン。チャイルドスペースと相まって休憩の場として機能すると共に、一つのステージが終了したことが理解されます。

「イケアの冒険」の最終ボスはセルフサービスエリア、最も過酷で骨の折れるステージです。ここではそれまでに身につけたスキルが試されることになります。ショールームを巡る中で集めた数字を手がかりに目当ての商品を探し出し、回収した先には駐車場の無料券(買い物の本当のモチベーション)が待っています。

支払いを済ませた後は車に商品を積み込んで終了なのですが、望めば従業員にカートを車まで押してもらうことも可能です。何とも親切で、機能的ではないでしょうか?

 
まとめ

イケアのデザイン哲学が体現するのは、ユーザーを誘導し、とりこにする店舗レイアウト。それは店舗に掲げられた「知性をデザインする」というコピーそのものです。

今回のイケア巡りで筆者が購入したのは、スウェーデン製の枕、リビング用の小型テーブル、そしていくつかのCHOKLAD LJUSチョコレート。お祭りを訪れて、何か余計な物に目を惑わされてしまったような感覚を覚えます。消費者としては複雑な気持ちですが、しかしゲーム批評家としては断言できることがあります。

イケアには、ゲームデザインが学べることが数多くあるのです。

 


 
本コラムの著者、ダニエル・ゴールディングさんはメルボルン大学にて博士課程を専攻する学生であり、GAME ONの記事も掲載しているCrikeyにてゲームコラムを執筆されています。気になる方は彼のツイッターもチェックしてみてください。

 
IKEA, and the Logic of Video Game Design [Kotaku]

(上原理)

 

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バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ


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ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D

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