

従来のゲーマーから、なにかとバッシングされがちな携帯電話向けのソーシャルゲーム。私もつい最近まで「あんなチャチなゲームもどきなんて遊ばねーよ。ケッ」と思ってました。
でも、自分の周りにソーシャルゲームを楽しむ友人がちらほら現れ、Webのあちこちで「ソーシャルゲームってなんなのよ」的な議論が行われるのを横目で見て、さすがに「ろくに遊びもしないで毛嫌いするのはよくないな。いっちょやってみっか...。」と思うにいたりました。
たった1タイトルを、無課金の範囲内でプレイした限りですが、いちゲーマーとしてソーシャルゲームに感じたことを以下にまとめておきますね。
なお、ソーシャルゲームと一口に言っても、モバイル向け、PCブラウザ向け、いやそもそも『ポケモン』にもソーシャル要素が...! などなどいろんな意見がありますが、本コラムでは「ケータイ/スマホ向けのSNS連携ゲーム」としておきます。
私がプレイしたのは、ちかごろ何かと話題をふりまいている『アイドルマスター シンデレラガールズ(通称モバマス)』です。3月の中ごろから始めました。
自分でも驚いたことに、めっちゃプレイしてます。毎日起きたあと、寝る前にゲームをチェックし、移動中にボタンをタップし、無料のガチャを回し、カードをトレードし、見知らぬプレイヤーにバトルをふっかけました。どう見てもハマってます。
上でも書きましたが課金はしていません。でも、たまにチラっと「課金ガチャ試してみようかなー」って気になります。あぶねえ。
■ソーシャルゲームは楽しさ/コストの比率に優れる
まず最初にわかったことは、私にとっての楽しさという点について、ソーシャルゲームは普通の家庭用ゲームに全然かなってないってことです。私が家庭用ゲームで感じる楽しみをおおざっぱに「10」としたら、ソーシャルゲームのそれは「2」くらい。
でも、その楽しさは「ゼロ」じゃありません。そして、家庭用ゲームの手間を「10」としたら、ソーシャルゲームのそれは「1」くらい。楽しさを手間で割ったコストパフォーマンスにおいて、(私の中では)ソーシャルゲームは家庭用ゲームを上回っていました。
ゲーマーって、ゲームに対して有形無形のコストをすっげー支払うじゃないですか。まとまったお金でハード&ソフトを買い、プレイ時間を確保し、攻略や上達のために努力や熱意を払う...それがまた楽しいんですが!
その点、ソーシャルゲームはお金/時間/努力のコストがほとんどかかりません。ホームで電車を待つ間にポケットからスマホを取り出し、片手でタップ。んで基本無料。
それでも、キャラがレベルアップしたり、宝箱からちょっといいアイテムが出てきたり...それくらいの手応えを楽しめるわけです。それもけっこう頻繁に。
■ゲーム性はゼロじゃない
ソーシャルゲームが「ゲームじゃない」と言われる理由のひとつに、ボタン連打だけで進んでいく、まったく「ゲーム性」のないゲームもどき、というイメージがあると思います。「ゲーム性ってなんだよ」って話になるとまた長くなるのですが、ここでは「頭使う要素」とおおまかに定義して進めます。
が、実際プレイしてみると、ボタン連打はRPGで言うところの「歩いて移動する」くらいのアクションで、実際に頭を悩ませるシステムはありました。それは「リソース管理」です。
今あるソーシャルゲームの多くは、いろんな行動を行うたびにエネルギーが消費され、アイテムやポイントを得られるシステムになっています。つまり、リソース(エネルギーやアイテムなど)を効率よく運用すれば、よりたくさんの成果を得られるわけで。ここには育成系シミュレーションゲームっぽい要素がありました。
慣れてしまえばルーチンワークになるのですけどね。
■フルゲームとファストゲーム
以上、「楽しみの総計は家庭用ゲームが勝る」「楽しみ:労力の比率に優れる」「ゲーム要素はある」というのが私のソーシャルゲームに対する感想です。すでにソーシャルゲーマーな方には「そんなの知ってるよ」という事かもですが、やってみないと分かんないもんですね。やっぱ。
たとえ話になってしまいますが、ゲームをご飯だとすると、いままでの家庭用ゲームは洒落たレストランみたいな存在で、ファストフードみたいなお手軽なゲームはなかったんじゃないでしょうか。キーホルダーのテトリスだって、お店に行って買うわけですから。
ハイスペックPCでやるAAAタイトルを「フルゲーム」だとすれば、ソーシャルゲームは「ファストゲーム」と呼べる存在だと思います。そして、ファストフードにはファストフードなりのうまさがあり、女の子とのディナーでは食べないけれども、気分が向いたときはハンバーガー&ポテトもいいよねー、ってことです。
私は休日にまとまった時間があれば『スカイリム』をいまだにやってます。電車での移動中やお昼休みなら『ファイアーエムブレム』です。で、移動のあいまに片手でプレイするのは『シンデレラガールズ』なんですね。
以上、いまさらですが腰をすえてプレイしてみて、自分の中でのソーシャルゲームのポジションが落ち着きました。グルメなゲーマーから見れば物足りないゲームだけど、かといって食わず嫌いするほどのものでもないな、というところ。
とはいえ私は課金をしていないので、ひょっとしたら課金することでさらに新たな一面が開けるのかもしれません。いわゆる重課金プレイヤーの中には、PC上で動く携帯電話のブラウザを使い、がっちり画面にはりついてプレイする方もいるようですし。
「きっちり楽しんでおきながら、製作者にお金払わないのもなぁ...」って思うこともあります。でも、10連ガチャに3000円使うなら、倍のお金で家庭用ゲーム買うぜ、ってのがいまの正直な感覚です。
あと、コンプガチャとか、たくさんの友達を招待しないと手に入らないレアキャラとか、ノルマを設定して課金/集客を煽るやりかたに嫌気が差しているのも「おれは課金しないぜ」スピリッツの原動力になってます。
ていうか、ガチャ1回300円っていう値段は高過ぎじゃないですかね? トレーディングカードみたいに、カード1枚(=ガチャ1回)あたり20円〜30円くらいならいいのに。
(金本太郎)